落研OBの落語研究会感想2005/06/14 09:06

6月3日、4日、5日の<小人閑居日記>に書いた第443回落語研究会の感 想をプリントして、毎月いっしょに国立小劇場に通っている同級生の一人、慶 應落研出身の二代目雷門牛六(もーろく)師に送った。 師はパソコンを覗かな いからだ。 折り返し、師の感想が来た。 今でもOB会や養老院で演じてい るから、その見方は演者の立場に立って、具体的で面白く、私のとはまた趣を 異にするので、ちょっとご紹介しておく。

「よく演じられる前座噺の「鮑熨斗」ですが、朝之助は、悪びれずに一生懸 命しゃべって、いい感じです。」

「菊之丞は好き嫌いがわかれる人です。師匠の円菊みたいにオカマ風をやら れるとゲーッですが、あの顔で突っ張るからなかなかです。「酢豆腐」といえば、 もう八代目文楽ですが、その型を脱していました。うまくなったですね。」

「鯉昇は面白いし、自分の噺にするために工夫してますね。あの「百川」に 登場する権助みたいな風貌が実にいい。それでいて権助噺をしないところがい い。今度亭号を「瀧川」に改名しましたが、春風亭の方がよかったように思う。 「立川」のシャレのつもりか、鯉の瀧昇りのつもりなんだろうが、率直すぎて つまらない。」

「「蟇の油」の花緑は、うまいんだけども自分はスターだという気取りが見え る。大看板になってほしい人だから(小さんを継ぐべく)少し残念です。刀の扱 いはうまいもんです。小さんの剣道のせいかも。」

「志の輔の「千両みかん」は面白かった。番頭の演出で、みかん探しの店で 初めっから泣き顔の悲壮面(づら)は面白くない。段階的に情けなく泣きっ面が 増していった方がわかりやすい。サゲの価値観の取り違えのところをサラッと しっかりやってくれました。」

「今回は演目選びも演者も皆、いい組み合わせだったと思います。」