サミュエル・ジョンソンとボズウェル2006/11/15 07:56

 私が持っている英和辞典で一番大きい研究社のそれで、Boswellを引いたら、 まず「(自分の崇拝する人物の伝記を書くために一身をささげる)ボズウェル流 の忠実な伝記作家」という項目があり、もう一つ別にBoswellと見出しを立て て「,James(1740-95)」スコットランドの法律家で当時の大文豪Samuel Johnsonの崇拝家; Life of Samuel Johnson(1791)の著者」とあった。 最 初の意味からはBoswellianや Boswellismという言葉も派生している。

 伊丹レイ子先生は、サミュエル・ジョンソン(1709-84)とボズウェルの年 譜を並べて、その関係を話してくれた。 ジョンソンの辞書が最初に出版され たのが1755年、二人は1763年に初めて会った。 31歳年下のボズウェルは、 父が厳しい人で親しまず、他の人に父の像を求めるところがあった。 何でも 質問するのが好きで、書かなければ存在しないという書き魔、記録魔、そして 保存魔だった。 いろいろな切符類まで保存し、若き日の娼婦達との関わりも sheath(condom)を使ったかどうかまで記録していた。 実証的なところは、 エディンバラ大学やグラスゴー大学で学び、アダム・スミスの講義にも出てい るところから来ている。 そのボズウェルが崇拝するサミュエル・ジョンソン を訪れては質問し、その話に耳を傾け、家に帰って詳細に記録した。 それが ジョンソンの死後、Life of Samuel Johnsonとして結実するのだ。