「陽炎」と「目刺」の句会 ― 2008/03/17 07:50
13日は「夏潮」渋谷句会だった。 兼題は「陽炎(かげろう)」と「目刺」。 例によって、本来なら闇に葬られて、表に出てこない句までを含め、私の投句 七句を挙げる。
陽炎や老いのかなたにゆがむもの
陽炎やつかみそこねし後ろ髪
陽炎やいつもの道も謎めいて
妻と居て昼には目刺あれば足る
祖母居りし昔は目刺辛かりき
目刺買ふ瑞泉寺の梅見た帰り
青目刺あぶれば脂あふれ出す
ぜんぜんお呼びがなくて、これはいわゆる「スコンク」かと思っていたら、 ぼつぼつ採ってくださる方が出て来た。 「老いのかなた」を英主宰とけん詞 さん、「いつもの道」を芳三郎さんと松子さん、「妻と居て」を芳三郎さん、「祖 母居りし」と「青目刺」を主宰が選んでくださった。 選句数の多い主宰選の 三句に救われて、まずまずの結果となった。
拙句についての主宰の選評。 「老いのかなた」は、「陽炎」の題詠で写生 一辺倒でなく、感覚的にとらえた。 こういう作り方もある。 「陽炎」の、 つかみどころのない、あやふやな気分を、ふわっと作っている。 これまでの 生と、これから、来し方行く末を思い、前に向って進むものがある。 「祖母 居りし」は、逆に「目刺」の写生。 心の中に残っている「目刺」をさぐって、 ある時代へのノスタルジアが出ている。 「青目刺」という言葉があるか疑問 だが、一夜干や半干を想った。 実際に「目刺」を買ってきて、あぶったので はないか、「あふれ出す」は適確。
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