季題研究、「囀」と「朝寝」2008/04/15 07:11

 「囀(さえずり)」の季題研究は、ひろしさんの担当だった。 あらためて「囀」 の説明を聞くと、漠然としか考えていなかったことが判明して、勉強になった。  「囀」は、「春から夏にかけての繁殖期に聞かれる、鳥類の歌うような鳴き声」 のことで、一年を通して聞かれる声は「地鳴き(じなき)」と呼んで区別する。  「囀」では多くの場合、オスが縄張りの所有を主張したり、メスをひきつける ためによく通る声でしきりに鳴く。 「囀」には二つの形式がある。 テリト リー・ソング(縄張りの歌)と、コートシップ・ソング(求愛の歌)だ。 テ リトリー・ソングは、単調な歌を大声で繰り返すものだが、声を聞いただけで 鳥の種類がわかるほど、種によってことなっている。 コートシップ・ソング は、複雑な歌を小声で美しく歌う(そのため「小囀(こさえずり)」ともいう)。

 「朝寝」は、ななさんの担当。 いくつかの歳時記とともに、「眠りの科学」 にも言及して説明してくれた。 四季を通じて一番寝心地の快いのが春、孟浩 然(もうこうねん)の『春暁』「春眠暁を覚えず」という有名な詩がある。 「春 眠」と「朝寝」は季題としては別で、「春眠」によって十分に寝足りても、なお 寝床を離れにくく、布団の中で春の気分や情緒を楽しんでいるのが「朝寝」と いうことになる。 ただ「眠りの科学」からいうと、眠りは日照時間と関係し、 脳内の松果体から出るホルモンの影響で、秋から冬にかけて長く、春から夏に かけて短くなるのだそうだが…。