談志の書いた小さん・文楽 ― 2008/04/26 07:09
『談志絶倒 昭和落語家伝』を読んでいて、思わず吹き出した。 談志が、師 匠五代目柳家小さんについて語っているところだ。 えもいわれぬ面白さを、 落語の世界で「フラ」というが、師匠は「フラ」のある芸人だった。 どうっ てことはないこんな話でも、師匠がボソッと喋ると可笑しいというのである。
「昨夜(ゆんべ)、お前、タクシーに乗ったらよォ、その運転手がな、お前の 悪口ばっかりなんだよ。 “談志はしょうがねえな。生意気だな、あいつな。師匠の弟子でしょ。だめだ、 あれな、なんとかしねえと” さんざっぱら言うんだ、お前のことを。しょうがねえから、降りるときに六 百円余計にやっちゃった」
八代目桂文楽。 談志が、結果は落選したが、衆議院議員に立候補したとき、 選挙区に住んでいた黒門町の家の前を通り、露地からメガホンだかマイクだか で、
「師匠、談志です。一票をお願いします」
二階の窓がガラッと開いて、
「よォーがすよ」
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