正蔵の「芋俵」 ― 2008/05/05 08:21
正蔵は、ひょい、ひょいと、出て来た。 小米朝のようないい男に生まれた かった、と。 大阪の池田で、米朝や小米朝といっしょの会に出た話をした。 米朝には陽炎のようなオーラがある、本当に震えている、と。 人間国宝が泥 棒噺の「三ぼう」のマクラを降り始めた。 だが、どろぼう、つんぼう、とや って、次が出て来ない。 楽屋はみんな、けちんぼう、けちんぼう、と言って くれ、と祈るようだった。 人間国宝は、びんぼう、と言った。 そう語る正 蔵の顔、特に目のあたりがおやじさんに似てきたな、と思った。
「芋俵」という噺は、泥棒が悪巧みをする、そのあくどさや、狙われる金持 の問屋の豪勢さが強調されるように、憶えていた。 正蔵のは、人柄が出るの か、その辺がほんわかしていて、最後の間抜けな部分だけの噺のような印象に なった。 正蔵はトリの前のポジションらしく「芋俵」という軽い噺を選び、 それらしく演じたのかもしれぬ。 去年の3月にトリの小三治の前に「ぞろぞ ろ」を演った時と同じように。
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