花緑の「花見小僧」2008/06/03 06:39

 柳家花緑は、追善興行のようなプログラムの「遺族その一」だ、と出て来た。  小さんは、自由参加で、好きにやらせたので、弟子が多く38人いた、こうい う師匠も入っていると、談志の斜に構えた手ぶりをした。 ハードルが低くて 気の毒だが、花緑にも弟子が5人いるという。 最初、小さんに相談すると、 教えることは学ぶことだ、といわれた。 お客さんと食事をするような場面が 難しい。 握り寿司を食べるような時、前座がまず二つしかないイクラの軍艦 巻に手を出したりする。 前座とイクラは合わない。 だが、その場では、小 言は言えなかった。 日頃から教えておかなければと思う。 弟子と二人の時 は、どっかゆるい感じがある。 新幹線に乗る前に駅弁を買う。 花緑が深川 めし(穴子の)780円を選んで、弟子に何でも好きなものをというと、あれこ れ迷い、5分ぐらい待たされて、うなぎ弁当1,050円を選んだ。 花緑の中に はモヤモヤするものがあった。 箸をつける段になって、弟子がようやく気付 いて「食べますか」といった。 「一口、食べました」

 「親の心、子知らず」というけれど、その反対もある、と、「花見小僧」に入 った。 さる大家の娘おせつが30ぺんも見合いをしてもうんと言わないのは、 店の徳三郎という悪い虫がついているからだと番頭が言うので、主人は小僧の 貞吉を呼んで、去年の3月向島に花見に行った始末を聞き出す。 鎌をかけて、 忘れたといえば、若耄碌には灸が効く、年二度の宿下(やどり)をやめると脅 す。 飴もかまして、話せば月一度の宿下に、小遣いもやろうという。 たい へんな出入り(差)なので、貞吉は、少し思い出します、という。 柳橋へ行 くと、徳どんは二階に上って、結城の着物に、博多の帯に着替えた。 向島に 舟で着いて上るとき、「徳よ、怖いよ」と、あのお転婆が言った。 土手の御茶 屋から、女中の沢山いる奥の植半に上った。 みんなで懐石料理を食べて、お 嬢さんがお酒を飲んで具合が悪くなったのを、徳どんが看病した。 「おせつ、 と呼んでおくれ」。 ここまで聞いた旦那に、貞吉は「このおしゃべり小僧、宿 下は年二度に決まっているんだ」と、言われてしまう。

 花緑はまあ、四球を選んで、満塁のチャンスになったといったところか。

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