猪木武徳さんの講演に歯が立たず2008/06/12 06:38

 福澤研究センター開設25年記念講演会、トリは日文研、国際日本文化研究 センター所長の猪木武徳(たけのり)さんの「福澤諭吉の人倫の思想―「公」 と「私」を中心に―」だった。 たまたま手にした『文藝春秋』7月号のグラ ビア「日本の顔」に猪木武徳さんが出ていた。 62歳、経済学者、専攻は労働 経済学だが、関心領域は幅広く、文学作品と社会経済を接合した著作も高い評 価を受けた、父は政治学者の猪木正道氏という。

 講演は「福沢が古今和漢の道徳論に不満を持ったのは、私徳公徳の区別がな いこと、その優先順序を論じないことにあった(『日本男子論』)。 福沢の描い た「公」と「私」の重層構造に注目しながら、彼の倫理思想を考えたい」とい う趣旨であったが、私にはほとんど歯が立たなかった。 きちんとした講演要 旨と、『文明論之概略』『日本男子論』『瘠我慢の説』、アリストテレス『ニコマ コス倫理学(上)』高田三郎訳・岩波文庫からの丁寧な引用資料があったにもか かわらずである。