太陽活動が歴史に影響した ― 2008/08/03 07:58
「歴史に探る気候変動」の記事にも、太陽が登場する。 環境変動の歴史を 研究する遠藤邦彦日本大教授によると、太陽エネルギーを地球がどう受け止め るのか、地軸の傾きや軌道変化という点から研究が進み、10万年単位など三つ の周期が判明していて、そうした周期を重ね合わせることによって、氷期と間 氷期(温暖期)のサイクルは説明できるという。
福澤諭吉協会で講演を聴いた神奈川大の桜井邦朋名誉教授(宇宙線物理学) も記事に登場し、近世の寒冷期「小氷期」研究の先駆者と紹介されている。 米 航空宇宙局(NASA)に勤務していた1975年、太陽の活動が17~18世紀に弱 まったとの米研究者の講演を聴いて驚き、ガリレオが残したスケッチをもとに 太陽活動を分析し、歴史書を調べ、研究の成果を出版してきた。 フランス革 命の導因は寒さで麦が不作だったことや、ナポレオンが攻め込んだ当時のロシ アは今より寒さが厳しかったことなどを紹介したという。
日本の中世社会を研究する大東文化大の磯貝富士男教授は5月、鎌倉幕府誕 生にいたる武士の勢力の拡大は、気候の変調と農業生産低下が背景にあったと 論文をまとめた、という。
江戸時代後期、茨城の古河の殿様、土井利位(としつら)が顕微鏡で雪を観 察し、大坂城代だった1835(天保6)年には、わずか2日間で29種もの雪の 結晶を記録した。 鎌倉時代から寒冷化が始まり、なかでも江戸時代は寒かっ た証拠だ、という。
この最近の研究動向の紹介記事を読んで、西岡秀雄先生の研究『寒暖の歴史 気候700年周期説』の先見性に、あらためて驚いたのであった。
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