「パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋」2008/08/13 07:15

 夏の恒例、ホテルオークラ東京の「秘蔵の名品 アートコレクション展」に 行く。 第14回の今年は「パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋」、日仏交流150 周年を記念して、クロード・モネを中心とするフランス印象派絵画と、彼らに 影響を与えた北斎や広重の浮世絵を始めとする日本絵画、80余点を展示してい る。 最近話題の伊藤若冲に加え、竹内栖鳳や鏑木清方もあった。 葛飾北斎 の「諸国名橋奇覧」というシリーズは初めて見た。(この展覧会は30日まで、 大倉集古館の「館蔵品展 紙で語る」…武田信玄の手紙があった、泉屋博古館 分館「明治の七宝」も観覧できる)

 佐伯祐三のおとなしい風景が、一点あった。 激しい筆触で描いた、例の広 告の文字の入ったパリの町並みではなかった。 最近知ったのだが、佐伯祐三 は1898~1928、つまり30歳で死んでいた。 大阪に生まれ、美校卒後、渡仏、 この展覧会にも曲ったような作品のあったブラマンクに師事、「アカデミーク」 と言われ、自画像の顔を消した、という。 結核になり、家族のたっての希望 で、一旦帰国したが、パリと絵画への思い抑えがたく、最渡仏して客死したの が、30歳だった。 最近の修復で、黒に油絵具のほかに、墨の黒を使っていた ことがわかったそうだ。