「コード」を輸入し、日本らしい「モード」に編集 ― 2008/08/24 07:33
松岡正剛さんの「編集」というのは、20世紀までに、ほぼ出尽くしたさまざ まな「知」、それぞれの独自の物の見方や考え方を、縦横に組み合わせてみれば、 新たなアプローチが生まれるはずだ、という方法論だ(2008.4.8.の日記)。
日本は古代から、外国から「コード」、いわゆる文化や技術の基礎要素を取り 入れて、それを日本なりの「モード」にしていく、様式にしていくということ が、たいへんに得意な国だった。 古代から中世まではもっぱら中国とか朝鮮 の「コード」を輸入した。 その後は南蛮文化をどんどん取り入れて、明治以 降はヨーロッパ文化、最近はもっぱらアメリカの文化や技術ばかり気にするよ うになった。 このように時代によって変化してきたが、基本的には素材とし ての「コード」を輸入して、それをもとに日本なりの様式としての「モード」 を生み出す独特の「編集力」を発揮して来た、と松岡正剛さんは言う。 これ を「外来コードを内生モードにする日本」とまとめ、こういう日本の「編集方 法」にこそ、日本文化の重要な独創的な特質がひそんでいる、と考えて、日本 には独創性がないという批判をしりぞけている。 ただし、明治の「文明開化」 や、戦後のアメリカ一辺倒の文化直輸入のやり方は、文化の「編集」の深みが ない、とは言うが…。
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