「冷えさび」と禅で「枯山水」 ― 2008/08/27 07:09
松岡正剛さんの話、親鸞はちょっと飛ばして、「連歌の影響力 「一座建立」」 と「禅の感覚と「引き算」の魅力」に移る。 連歌師の心敬と、その影響を受 けた二条良基(よしもと)が、春や秋ではない冬の美を発見して「冷えさび」 を唱えた(降って江戸時代、芭蕉のさびへ)。 鎌倉時代に禅が中国からやって くる。 その禅と「冷えさび」の美学が結びついて、禅林文化が生まれる。 「枯 山水」の庭が、その典型だ。
「庭」は自然をシミュレーションしたもので、古代日本では神の降りてくる 場所、神祇を行う場所として、天皇・豪族が造った。 仏教伝来後、貴族を中 心に「仏の庭」が造られる。 浄土教が広まると、此岸と彼岸を模した池泉庭 園や州浜のある浄土庭園が盛んになる。 中世以降、禅の影響で「枯山水」と なる。
「止観」、岩や石や砂があるだけなのに、水の流れや大きな世界を観じていこ うとする。 「引き算」という方法だ。 「冷えさび」という感覚は、もう一 方で「幽玄」という美意識を生み出した。 和歌や連歌の中で継承され、「能」 が生まれる。 「余情(よせい)」も「引き算」の美学だ。 世阿弥の『花伝書 (風姿花伝)』には、日本人が今後も伝えていくべきコンセプトや考え方のヒン トがたくさん書かれている、と松岡正剛さんは言う。
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