『もののけ姫』の「照葉樹林」 ― 2008/11/10 07:00
余談の続きの、続き。 宮崎駿監督の『もののけ姫』は観たけれど、ほとん ど忘れていた。 「照葉樹林文化論」の関連で、ウィキペディアの『もののけ 姫』も見てみた。
「あらすじ」は、こうだ。 エミシの隠れ里に住む少年アシタカは、村を襲 った「タタリガミ」にかけられた呪いを解くために、遠く西方の地を目指して 旅立つ。 そこで彼が見たのは、森を破壊しながら必死に生きるタタラ製鉄集 団と、森を守る獣たち、そして自分は山犬だと思って生きている少女サンだっ た。 やがて、森を守ろうとする森の獣たちと、獣たちの長である「シシ神」 を殺そうとする人間たちとの、壮絶な戦いが始まる。
そして、この映画で「照葉樹林文化論」を下敷きにして描かれているのは、 つぎのようなところだと考えられる。 「シシ神」の森は、人間の手が入って いなかった太古の「照葉樹林」の姿を描いたもの。 「もののけ」というのは、 人の手の入らぬ森に対する人々の畏れ、そして物理的な自然の猛威を形にした もの。 こうした森への畏れ、信仰は、自然の森が日本から消滅していった時 代に、急速に失われていった。 「神殺し」とは、それを象徴的に描いたもの と思われる、という。
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