「七五三」「八手の花」、選句と主宰選評2008/11/18 07:17

 「七五三」と「八手の花」の句会で、私が選句したのは次の七句。 この日 から、けん詞さんはけん詩さんに、「ムシ」と名乗っていた弘司さんは酔歩さん と、改名した。

  寝おちたる姉も妹も七五三      英

  七五三力石にも触れさせる      けん詩

  行きずりの人もほのぼの七五三    芳三郎

  黄昏の谷中の坂や花八ッ手      酔歩

花八ッ手虻のぶつかり合ふことも   秋

  花八ッ手婦人もゐたる囲碁クラブ   秋

  花八ッ手研師の鳴らす古ラジオ    秋

 「力石」は、人気のある句だった。 主宰は、ベテランだと「触れさせて」 とやるところだが、「触れさせる」のほうが気持が出ているかもしれない、と。  「行きずり」の句、観念的ではあるが、なるほど七五三を見て、いやな気はし ない、親が思うほどではないが、と。 秋さんの句を三句も採っていたが、そ れぞれ主宰の選にも入り、「古ラジオ」の句は、道具立てが全部揃っていて、新 派の舞台のようだ、と。

 ほかに主宰の選評。 〈畳紙(たとうし)に祖母の筆跡七五三〉という句を、〈畳 紙の筆跡は祖母七五三〉と添削して、(何かに感じた)心のゆらぎにそのまま言 葉を添える、その時、思ったとおりの順番に句にしたほうがいい、知性よりも 感性、という指摘があった。 〈千歳飴をひきずってゐる七五三  さえ〉類 想の句が何句かあったが、これが一番すなお。 類句に、恐れおののくと、つ まらなくなる。 剽窃でなければ、いい。 句集に収めたいといわれれば、ダ メだというが、句会なら、いい。