勲章と脱亜論と2008/12/05 07:15

 『政財界メッタ斬り』(毎日新聞社・2005年)という本もある佐高信さんは、 財界人に蛇蝎の如く嫌われているが、経済評論家と名乗っているから、経営者 の講演会に呼ばれることもあるという。 まず、バンとかます。 「株価は5 万円になる」「金本位制になる」と活字にした長谷川慶太郎のデタラメを見抜け ないようではダメ、経営者を辞めなさい、と。 そしてシメで、福沢が勲章を 拒絶した話をして、勲章を拒否した人に偉い人がいると、止めを刺す。 松永 安左ェ門、石田禮助、木川田一隆、中山素平、伊東正義。 民間人の誇りにか けて、貰ってほしくない。 勲章は業界が役所に申請してもらうから、役所に は楯突けなくなる、民間支配の道具である。 福沢は、官尊民卑は直らないと いうことを見通していたのではないか。 慶應に学んだ者は、勲章を貰うな、 と言いたい。 貰ったら、三田会除名とか、いかないものか、と。

 福沢を扱って、脱亜論に触れないわけにはいかない。 (1)平山洋さんが 『福沢諭吉の真実』で行なった指摘。 (2)福沢が朝鮮の独立を目指した金 玉均を徹底して援助した事実。 それによって福沢の身を危うくなったにもか かわらず。

 佐高さんは、学者でないから、文献だけで判断したくない、実際の行動から 福沢を判断したいという。 福沢は、行動においても脱亜論者であったのか。  現実のなかに生かされての思想である。 封建思想をひっくり返そうとした改 革者であったからこそ、絶えず暗殺の危険にさらされていたのだ。