上野浅草フィルの「椿姫」2008/12/09 07:12

 6日、いずれ書く福澤諭吉協会の土曜セミナーのテーブルで、<小人閑居日 記>の取り扱う範囲は広いけれど、「ゴルフ」は出ませんね、と言われた。 「雑 学で…」といい、「ゴルフ」はやらないし、「音楽」も弱いから出てこない、と 答えた。

7日は、また浅草へ行った。 吉原でなく浅草公会堂へ、去年の11月23日 「前川の鰻と上野浅草フィル」に書いたチェロを弾く友人のコンサートに出か けたのである。 実は6月29日の演奏会にも行き、ほとんど寝ていて、アン コールのエルガー「威風堂々」で目を覚ましたので、これは書かなかった。

今回の上野浅草フィル第45回定期演奏会は、メンデルスゾーン/交響曲第4 番 イ長調 作品90「イタリア」と、ヴェルディ/歌劇「椿姫」ハイライトだっ た。 トウシロウにとって、「イタリア」はともかく、キヤッチ・コピーに「乙 女浪曲師が語り、気鋭の歌手がむせぶ」とある「椿姫」がよかった。 浅草で は1916(大正5)年から関東大震災までの6年間、オペラやオペレッタが盛ん に上演され、この大衆的な「浅草オペラ」には「ペラゴロ」と呼ばれる熱狂的 なファンもいたという。 それを意識した上野浅草フィルの「椿姫」は、狂言 回しの「性別:乙女」と称する浪曲師、玉川奈々福の語りでわかりやすく、ヴィ オレッタの羽山弘子はもちろん、アルフレード・秋谷直之、父ジェルモン・泉 良平も熱唱、楽しい舞台となった。 「ベアトリーねえちゃん」式に日本語で やったら、さらに親しみやすかったと思うが、それでは恰好がつかないのだろ うか。 やや裏方となったオーケストラのメンバーだが、こういう曲の演奏は 楽しいだろうと思われた。