「一滴の血の法則」2008/12/26 08:06

 「初の黒人大統領」バラク・オバマと、映画で思い出したことがある。 奴 隷制度という過去を持ち、人種問題を抱えるアメリカが、奴隷の子孫ではない ものの、アフリカ系の黒人大統領を選出した。 ほとんど白人と見分けがつか ず、ほんの少しでも黒人の血が混じっていれば、「黒人」とされる「一滴の血の 法則」というものがアメリカ社会にはあるということも、ニュース解説などで 扱われた。

 『風と共に去りぬ』が大評判になった、子供の頃に観た映画だ。 二本立、 三本立なんてものの普通だった時代だから、B級の映画だったのだろう。 題 名はわからない。 主演女優はリタ・ヘイワースだったように憶えているのだ が、定かではない。 金持のいやらしい男を、クラーク・ゲーブルが演ってい た気がするけれど、後知恵の思い込みかもしれぬ。

 奴隷制度の時代の南部、主人公の女性は、資産家が子供を通わせる寄宿の女 学校の学生だ。 友達とミシシッピ川を行く外輪船で旅行したりして、幸せな 学生生活を送っている。 それが、ある日突然、今思えば「一滴の血の法則」 で、「黒人」の血を持っていることが判明する。 暗転、「奴隷」の立場となり、 売買される運命になる。 そこに、彼女を買う、いやらしい金持男が登場する わけだ。 子供心にその衝撃は強烈で、長く記憶に残っている。 あとは、忘 れた。