戦後の文教政策の変遷2009/10/26 06:43

 佐藤禎一さんは、戦後の文教政策の変遷を、つぎのような時期に分けた。

 ・第1期 新学制の確立  昭和22~26年  ・第2期 見直し期その1 昭和27~34年  ・第3期 充実発展期   昭和35~58年  ・第4期 見直し期その2 昭和59年~

 第1期 学校教育法による教育制度の整備は、教育の機会均等、学制の単純 化(単線形へ)、義務教育年限の9年への延長(新制中学)、教育課程の標準化 (昨日、少しふれた)、地方分権(教員は地方公務員に)、高等教育の普及・大 学院制度など。

第2期 昭和27(1952)年は、占領の終った講和条約発効の年である。 地 方の教育行政とのかかわりで、教育委員会は公選から任命制に、国による助成 も。

 第3期 進学率が上がり、量的発展から構造の改革へ。

 第4期 臨時教育審議会(石川忠雄副会長)スタート。 三つの理念(1) 個性化・多様化 (2)生涯学習 (3)変転する社会への対応。 平成18(2006) 年、中央教育審議会(鳥居泰彦会長)の答申をもとに教育基本法改正。

 第1期には試案だった学習指導要領は、ほぼ10年毎に改訂された。 経験 学習で始まり、昭和30年代…教育内容の系統化。 昭和40年代…現代化(高 度化・難しさ) 昭和50年代…ゆとりと精選 昭和60年代…個性化・多様化  昭和70(1995~)年代…生きる力 昭和80(2005~)年代…生きる力の実質 化。

 学力とは何か、世界的に問題解決能力であるという学力観がある。 高度化 を言った時、基礎は徹底的に学習した上で、高度にしよう(授業時間も増やす) という二階建だった。 「ゆとり」は、地方で基盤が育っていなくてうまくいか なかった。 同時に「精選」したものを教えるとしてあったのに「ゆとり」ば かり強調された。

 昭和23(1948)年に小学校、昭和29(1954)年に中学、昭和32(1957) 年に高校、昭和35(1960)年に大学に入った私と佐藤禎一さんの年代は、戦 後教育変遷の真っ只中にいた、戦後教育の申し子だったわけだ。