柳家小せんの「犬の目」 ― 2011/01/21 06:59
落語だと「飴食って爺イ固まる」だが、結婚式のスピーチで「『雨降って地固 まる』と申しまして」と言おうと思っていたら、前の人に言われてしまったら、 どうするか。 鈴々舎わか馬改メ、柳家小せん、一之輔と同じマクラを強引に やった。 自分の通って来た道だけれど、お年玉、お囃子の、お姐さんはお袋 より年上とか、近頃前座の高齢化で、年上の前座がアゴを上げたまま「師匠」 と言ったりするので、一月いっぱい油断ならない、と尾鰭はつけたけれど…。 実はトリの志ん輔も「寄席では、一月は中席を特別に『二之席』といい、二十 日までは正月興行」と言って、三度聞くはめになった。 一之輔、小せんの時 は、まだ楽屋にいなかったのだろう。 小せんと言えば、昔、鯉昇や昇太の師 匠のとぼけた柳昇や、長い顔の柳好なんて人たちと「お笑いタッグマッチ」(?) をやっていた小せんの、口をつきだした顔を思い出す。 その2006年に83歳 で天寿を全うしたのが四代目で、昨年秋真打に昇進した五代目「ネクラの小せ ん」だという。
一か月前から目が霞み、三日前から何も見えなくなった男、友達の紹介で、 ヘボン先生の弟子でドイツに渡米した新井シャボン先生にかかる。 ごく簡単 な手術、目を抜いて洗うだけで治るという。 ペンチ、塩酸をどんぶり一杯、 浅野でも、小野田でもいい、セメントを溶いたのを用意。 クリクリ、ポン。 塩酸であらって、目玉がふやけた? 縁側に干しておこう。 その目がなくな る。 原因はわかっておる、あそこの犬が食っちゃった。 こらラッシー、テ レビで稼いでいると思って…。 クリクリドックンと抜いて、ポコスコンと入 れた。 真っ暗で見えません。 引っくり返してやる、若い頃、たこ焼き屋を やっておった。 三日ほどしたら、やってこい。
どうだ? 遠くまでよく見え、夜目が利くけれど、一つだけ困ることがある。 電信柱を見ると、片足が上がる。
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