ネットの句会、3月の課題2011/03/17 07:12

 ASAHIネットの会員だけが読み書きできるコミュニティー「電子フォーラ ム」の「文芸・本と雑誌」に、「等々力短信・サロン」というコーナーを設けて もらっている。 そこで「パソコン・ネットにおける句会の可能性を開き、当 ネットの句会ブームの先駆けを成した、ネット最古の句会です」という宣伝文 句を掲げ、毎月「わいわい雑俳塾」という句会をやっている。 投句は各お題 一句計三句、世話人の私あてにメールで、月末までに送り、翌月初、投句一覧 を匿名アトランダム状態で発表する。 10日までに各自が選句して、「電子フ ォーラム」に書き込み、10日以降、世話人が投票結果を集計して発表し、15 日に作者名と最終結果を公開する、やり方だ。 

15日、第234回になる平成23年3月の課題を発表したのが、つぎのとおり。

○「あたたか」 暖か、ぬくし、春暖

あたゝかな雨が降るなり枯葎         正岡 子規

あたゝかや鼻巻き上る象の芸         吉屋 信子

なべてあたたか切株に坐すわが影も      吉沢 太穂

あたゝかやさしかはしたる木々の枝       久保田 万太郎

白足袋のすぐに汚れてあたゝかき           〃       

○「行く雁」 帰る雁

みちのくはわがふるさとよ帰る雁       山口 青邨

雁行くや月に片照る石舞台          羽田 岳水

雁帰る黒服潮のしめり帯び          金子 兜太

ゆく雁や屑屋くづ八菊四郎        久保田 万太郎

東京の雁ゆく空となりにけり           〃

○<“人名”しばり>

春一番写楽の顔で吹かれをり         日下部 宵三

義仲の田を横飛びに春の猫          進藤 一考

繕ひし吉野大夫の墓の垣           小田 尚輝

泣虫の杉村春子春の雪          久保田 万太郎

吉田五十八設計の春障子なる           〃