科学技術で自然環境と安心して共生できる街2011/07/12 06:34

「エネルギーの視点から震災復興を考える」佐藤春樹理工学部教授は、科学 技術によって人間が自然環境と安心して共生できる街を築きたいとして、「徒歩 15分で避難可能な多重安全構造の街」を提案した。 街の規模は5000人程度 で、基本的に安全のため全電化とし、各生活単位には、太陽電池+蓄電池を設 置して、非常時の情報入手・発信+病人等のための緊急電源を確保する。 こ の街全体をひとつの電力網単位とし、「街グリッド」と呼ぶ。 また、人が集ま る空間として「コンベンショングリッド」も置く。 電力(および温水)輸送設 備を兼ねる軌道を持つモノレールによって、複数の街・コンベンション空間、 そして発電設備をWEB的に結ぶ。

各街・コンベンション空間の中心には、避難公共建物である耐震・耐津波建 物を配置する。 普段は2500人程度が地上20mの高さ程度の上の生活空間で 生活し、災害時は避難公共建物以外で暮す2500人、農業、畜産、林業、水産 業など様々な産業に働く人々も、15分以内にこの建物に入れる手段を確保し、 5000人全員収容可能とする。 避難公共建物は、市役所やホール、病院、介護 施設、幼稚園から高校、ショッピング空間、映画館等、常に多くの人々が集ま る場所とする。 大災害時に、ここに避難すれば少なくとも5日位は他と断絶 しても生活できるエネルギー・水・食料・衣料・毛布・トイレなど最低限必要 なものを備える。

佐藤春樹教授は、「緊急移動発電所船舶」…5時間以内に原子力発電所や避難 所に送電できる発電船を多くの港に準備、「災害避難民村メガフロート」…数千 から数万人位が都会的生活のできる海上都市、大災害時にはタグボートで4日 以内に海岸線に到着、「世界救助隊」の常備…世界のあらゆる災害に貢献できる 24時間対応体制の国際チーム、などの構想も提案した。 以上の提案は、日本 機械学会環境工学部門第4技術委員会委員および慶應義塾大学理工学部のホル ヘ・アルマザン専任講師および学生たちのアイデアを加えてまとめたものだと いう。