農業分野の復興、次世代農業への取り組み2011/07/14 06:25

講演の最後に「地域再生」を担当、「農業分野の復興を目指して : 次世代農 業への取り組み」を話した神成(しんじょう)淳司環境情報学部准教授は、東日 本大震災復興構想会議の検討部会の委員も務めた。 慶應SFC(湘南藤沢キャ ンパス)の一期生、阪神大震災の時は修士の学生だったといい、幼稚園の子供の いる団塊ジュニア世代、同世代の仲間に共通しているのは、この東日本大震災 のツケを子供世代には回したくない、自分たちの世代で解決するという認識だ という話が印象に残った。

農学部のない慶應で、農業情報化(ほかに情報科学(産業応用)、医療情報化) を専門にしている。 東日本大震災は、第一次産業分野と高齢化地域を直撃し、 農業分野に6月9日時点の集計で2兆円という巨額の被害をもたらした(原発 事故関連で増大が予想される)。 神成准教授は、情報科学の農業情報化(アグ リ・インフォ・サイエンス、技術の計測とデータ化、仕組をつくる)の最新の研 究成果を活用し、従来は一部の熟練農家だけが実現していた高生産性・高品質 性を兼ね備えた作物栽培を、被災地の多くの農家に活用させようというもので ある。 また「健康」は、これからの超高齢化社会の持続的発展を支える重要 な要素であり、その実現には、「運動」「心」とともに、「食」が重要な役割を占 める。 医農連携で、「健康」を支える作物の「機能性」を研究する(価格競争 力だけでない農作物の価値基準)。 食べて健康に資すると同時に、高齢者就労 先としても、農業は重要である。