「昼寝」「箱庭」私の選句2011/07/24 06:10

「昼寝」と「箱庭」の句会で、私が選んだのはつぎの七句。

昼寝覚身ぬちに残る船のゆれ       美保

よろずやの只今昼寝中の札        美保

潮風をほしいまゝなる昼寝かな      良

昼寝して夜も寝られて気楽なり      梓渕

カーテンとともに呼吸の昼寝かな     万華鏡

箱庭に古りて傾げる鳥居かな       和子

箱庭の峠に植うる実生松         和子

そうだろうと感じて採ったのだが、「身ぬち」の「ぬち」は上代語、「ノウチ(内)」 の約と辞書にあった。 「身ぬち」に、そういう言葉を知っていることに、や られた。 「箱庭」は二句しか採らなかったが、二句とも和子さんだった。 「潮 風」は、気持よさと、私も同じ発想の句を出したので採った。 「夜も寝られ て」は、まったく同感。 新参加の万華鏡さんの句、景がよく見える。

ほかに、人気のあった句を紹介しておく。

山ほどの言ひぶん抱いて妻昼寝   英

畳目に細かな砂や昼寝覚      和子

地下足袋の足裏大きく三尺寝    美保

てんでんばらばら昼寝の園児たち  さえ

天井に見覚えのなき昼寝覚     幸雄

箱庭へ天に代はりて霧を噴く    ひろし

箱庭の世に入り浸りをりにけり   梓渕

箱庭に赤き鳥居のありにけり    良