「美術に ぶるっ!」とするか?2012/12/22 06:32

 世田谷美術館の「松本竣介展」に続いて、もう一つ、おすすめの展覧会があ る。 東京国立近代美術館60周年記念特別展「美術に ぶるっ! ベストセレ クション 日本近代美術の100年」だ(1月14日まで)。 「美術に ぶるっ!」 というタイトルが気に食わないのは、私のような面白がりも、年を取ったとい うことだろうか。 だがタイトルで敬遠すると、食わず嫌いの損と同様、数々 の素晴らしい作品に出合うことが出来なくなる。 心の奥底に眠っていた、あ るいは教科書で見たことのある、あれやこれやと。

 第I部は、「MOMATコレクション スペシャル」、まず4階に上げられる仕 組になっているが、展示室1『ハイライト』には、いきなり萬鉄五郎「裸体美 人」、川合玉堂「行く春」、横山大観「生々流転」など重要文化財がある。 つ ぎの展示室2『はじめの一歩』には、浅井忠「春畝」、黒田清輝「舞妓」、青木 繁「日本武尊」、土田麦僊「湯女」、安井曾太郎「金蓉」、松本竣介「建物」、佐 藤忠良「群馬の人」などが揃っていて、これで「はじめの一歩」なのである。  松本竣介は、この「建物」と、展示室5『風景を描く』に「並木道」がある。  世田谷美術館に貸し出さなかったのは、それが「日本近代美術の100年」に欠 かせぬ作品だからだろう。

 『人を表す』には、和田三造「南風」、村山槐多「バラと少女」、岸田劉生「麗 子肖像(麗子五歳之像)」「麗子六歳之像」、中村彝(つね)「エロシェンコ氏の 像」、彫刻では荻原守衛「女」、高村光太郎「手」、橋本平八「幼児表情」がある し、『風景を描く』には岸田劉生「道路と土手と塀(切通之写生)」、佐伯祐三「ガ ス灯と広告」、梅原龍三郎「城山」、長谷川利行「カフェ・パウリスタ」、版画で は谷中安規と先頃NHK「日曜美術館」が取り上げた藤牧義夫があり、木村荘 八の永井荷風著『墨(サンズイ)東綺譚』の挿絵が12枚も展示されている。

 日本画では、下村観山「木の間の秋」、小林古径「機織」、鏑木清方「三遊亭 円朝像」、上村松園「母子」、小倉遊亀「浴女 その一」、安田靫彦「黄瀬川陣」、 福田平八郎「雨」、東山魁夷「秋翳」、加山又造「春秋波濤」、徳岡神泉「刈田」 などがある。

 題名から、絵や彫刻が思い浮かんだものが、いくつ、おありだろうか。 「ぶ るっ!」としたら、竹橋へどうぞ。

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