たけ平の「大師の杵(きね)」2013/06/04 06:52

 祖師は日蓮弘法…と、「大師の杵」に入る。 弘法大師空海は、修業中、川崎 は平間村の名主源右衛門の家に逗留したが、一人娘のおもよ(19)が空海に恋 患い。 空海の旅立ちの日が来る、「いい日旅立ち」山口百恵、皆はおもよに早 く告白したほうがいい、後悔するよ、いや空海。 告白されて驚いた空海、出 家の身の上、邪淫戒がある、お断りを。 おもよがノドにカミソリを当てたの で、今晩私の部屋へ来て下さい、と言う。 おもよは、喜んだ。

 女性には薄い化粧の人と、厚い化粧の人がある。 薄いのは自信があるから で、今日も(と、客席を見回し)薄い方ばかりで、おめでとうございます。 デ パートに入ると、各化粧品会社の化粧部員というのか、綺麗なおねえさんが沢 山立っている、まるで吉原。 引っ張り込まれて、おばさんが化粧してもらう と綺麗になる。 明日の朝、自分でやると、まったくダメ。 25歳はお肌の曲 がり角、水をはじかなくなる、高野豆腐のような女。 たいてい「私、いくつ に見える?」と聞く。 「38位かな」というと、喜ぶ。 「私、50、歳なんて、 ないのといっしょよ」

 噺、憶えていますか。 おもよさん、上はグッチ、下アルマーニ、靴はユニ クロに着飾って、空海の部屋に行くと、寝る布団があってお上人がいない。 杵 が横たわっていた。 ナゾか、符牒。 「思いキネ」か、「ついて来い、ついて 来い」か。 後者に違いないと、杵を持って外に探しに出た。 六郷の岸まで 来たが、逢えない。 一筋の涙を流す。 広末涼子、お客様の年代だと吉永小 百合、その上の人は原節子。 川に飛び込んで落命した。 第一発見者が空海 上人、平間村に戻って加持祈祷に日を過ごす。 病人が病気を治してもらって も、金を取らない。 食物を持って行けば、食うかい? 食うと思うよ。 材 木を持って来るのもいて、おもよ堂が出来た。 現在の川崎大師。 行ってみ ると、中に、おもよ堂があって、大きな鍵がかかっている。 身代りの杵が祀 ってあるというので、お坊さんに尋ねたら、ニッコリ笑って「いいえ、それはウスだ」。