難読苗字・地名クイズの答2013/06/25 06:29

【苗字】

(1)とどろき。舎利弗(しゃりほつ)は智慧第一と称せられた釈尊の弟子。

(2)みつぎ。

(3)さそう。

(4)いちまかせ。いちばかせ。

(5)わたぬき。

(6)しめ。

(7)どうめき。故百目鬼恭三郎氏は、朝日新聞記者、文芸評論家。

(8)めんじゅ。毛受敏浩氏は、日本国際交流センター執行理事。

(9)たかなし。鷹がいないと小鳥は安全。

(10)やまなし。山がないと月がよく見える。

【地名】

(11)こっとい。山口県、山陰本線。

(12)はなてん。大阪市鶴見区。

(13)だいもつ。尼崎市。

(14)きれうりわり。大阪市平野区。

(15)くにじま。大阪市東淀川区。

(16)くまた。大阪市東住吉区。

(17)かれいざわ。青森県。「王余魚」は魚のカレイ。水が枯れた沢…涸沢、 軽井沢も同じ。

(18)みおうやま。大分県日田市。昔、代官が射止めたイノシシ3頭の尾をつ なぐと、一尺八寸だったことから三尾山(みおやま)と呼び始めたと伝わる。

(19)かんとうだけ。満月のかかる山の名を天皇に聞かれ、方向だと勘違いし た説明役が「関東」と答えたことから。

(20)もっけやま。北海道。

江戸の「辞典・小百科」を読み解く<等々力短信 第1048号 2013.6.25.>2013/06/25 06:32

私家本『永代節用無盡蔵』

「等々力短信」の読者に、毎月必ず返事を下さる方が、三人いる。 そのお 一人、田中朋子さんが私家本『永代節用無盡蔵』を贈って下さった。 驚くべ き労作である。 古文書、くずし字の解読に堪能な田中さんが、江戸中期の寛 延3(1750)年刊、宝暦2(1752)年改訂の原書を、読み易いように、文字部 分は全部「手書き」して228頁の本に仕立てた。 コピーして貼り付けている のは、絵や見出しの内、ごく一部分だけだ。

世の中にはくずし字で書かれた史料が山ほどあるのに、解読されているもの はわずか数パーセントと聞く、埋もれている史料がもったいないという強い思 いが、田中さんを突き動かした。 私は昨年10月日吉の公開講座で、絵本・ 絵巻の字の部分は、百年前までは子供でも読めたのに、今は三千人しか読めず、 一説に意味の解る人は数十人しかいないと、石川透慶應義塾大学文学部教授に 聞き、反省したが、そのままである。

 田中さんは関係の書簡や文書を解読して、1998年12月の『福澤手帖』99号 に「サー・エドワード・リードの来日と慶應義塾訪問―市来七之助と福沢諭吉 ―」を書かれ、たまたまその号に私の「CD‐ROM版「百科事典」で「福沢諭 吉」を検索する」が出て、編集担当の岩波書店OB竹田行之さんに紹介された のが、ご縁の始まりになった。

 「節用集」は、室町時代に始まる「文字の辞典」だ。 『永代節用無盡蔵』 になると、「文字の辞典」だけでなく、「小百科事典」にまで内容が広がってい る。 七福神図伝に始まり、内裏、全国、三都(京・江戸・大坂)の絵図、公 家鑑、武鑑、武具図、馬具図、諸礼図、武将略伝、百官名尽などから、手相、 不成就日、願成就日、万年暦、男女相性、地震之占など易断、囲碁・将棋作物 図、万病妙薬集、料理指南、献立書、朝鮮仮名(ハングル)、古銭宝銭図、ほか 計60項目、それぞれ興味尽きないものがある。

 【小野篁(たかむら)歌字尽】の初め、「椿つばき 榎ゑのき 楸ひさき 柊ひ らぎ 桐きり はるつばき なつハゑのき あきひさき ふゆにひいらぎ をなじく ハきり」(三遊亭円生のマクラに出て来た)、「栢かや 柏かしハ 松まつ 杦すぎ 檜ひのき ひやくハかや しろきハかしわ きミハまつ ひさしきハすぎ あふハ ひの木よ」。 【男女相性之事ならびに歌】の一例、「▲男土女火 大によし 子 五人 いしよく共おほし 何事も心のまゝ也 むびやうにして命長し 地神をま つるべし 歌に あら嬉しいとゝたのしき我身かな万の物にとぼしからねハ」。  【万病妙薬之記】より、「一切の痔(ぢ)ハはれいたミ下血するに山椒(さんせ う)の目(め)粉(こ)にし用ゆ」。 【月次料理集】「正月汁之分」、「つる う ど ゑのきたけ ねぶか」「つる ねいも きのこ うど」「かも ごぼう とうふのう ば ついぐし」「一しほたい ちさ かぶら」(ちさ=「ちしゃ」レタス)。