こども電話相談室と恐竜の話2013/07/12 06:35

 TBSラジオに「全国こども電話相談室」という番組があって、10何年か、 生放送に出演した。 無着成恭さんが始め、電話のお姉さんが質問を受けて、 三人が回答する。 どんな質問があったか。 「パンの耳」というけれど、あ の真ん中が「顔」なんですか? 「反省の色」ってのは、何色ですか? 永六 輔さんが、「お色気」って知ってますか、色には様子の意味があるんです、なん て答える。 昨日から、お父さんとお母さんが喧嘩している、仲良くするには どうしたらよいか? 宇宙の涯(はて)は? オスとメスは、なぜあるのか?  キリスト教なら答えるのは簡単、神様がと言えば、楽。 日本は多神教だから、 大変。 神様と仏様の違いは? 無着成恭さんが、名答をした。 みんな三波 春夫さんを知ってるでしょ、「お客様は神様です」というでしょう、年を取ると、 お客様はみんな仏様になる。

 恐竜の話。 『朝日小学生新聞』に子供向け一コマ漫画を描いていた。 編 集者が原稿を取りに来るんだけれど、お待たせする。 それで言い訳じみた、 面白い話をした。 35年ぐらい前で、日本ではまだ恐竜の骨(化石)が見つか っていなかった。 海の中にいたフタバスズキリュウというクビナガリュウの 骨が発見された。 当時は、学研の恐竜図鑑でも、恐竜と怪獣はここが違うな んてことが書いてあった、古生物学者が監修しているのに。 別の本では、赤 や黒の恐竜、上半身の学名、先に学名を付けた方など、いろいろ寄せ集めて「恐 竜100」にしていた。 恐竜の絵を子供に描かせると、必ず口から火を吹き(ゴ ジラの影響)、バックで火山が噴火している。 恐竜の骨の発掘は、1841年に イギリスで認定された。 19世紀の世紀末にかけて、終末論と一緒になって、 弱肉強食で恐竜が滅びたといわれるようになった。

 嘘ばっかりだよ、骨から皮膚の色なんてわからない。 パンダなんか、骨は 熊だ、骨からどんな形かわからない。 そう文句を言っていたら、自分で書い てみなということになって、『朝日小学生新聞』に3か月連載した。 物事の 表面を信じないで、自分で考えた生態を書いた。

 シマウマの模様について、ライオンは夜行性で、白黒が見えないから、迷彩 効果があるというのは間違い。 最近の研究では、シマウマは群れで暮してい る、ライオンが襲ってパニックになると、四方八方に逃げ、あの模様に迷彩効 果が出る。 怪我したような弱いやつだけが襲われる。 何事も、自分の目で 見て、考えないとわからない。

 色や模様から進化を考えるのは、面白い要素だ。 途中がわからない。 生 命の流れ、一番面白いのは、人間だ。 20万年前にアフリカに現われて以来、 人間の身体は変化していない。 熊などは、熱帯の熊、寒帯の熊、地球の環境 の変化に応じて、身体のデザインを変化して、適応してきた。 人間は、外で エネルギーをつくり、好き勝手に利用して、暮している。 環境をくっつけて やれば、人間が初めて、地球の外に出られる、必然の可能性がある。