桂宮治の「つる」 ― 2013/07/21 06:31
18日は、第541回の落語研究会だった。 演目と演者は、次の通り。
「つる」 桂 宮治
「蛙茶番」 柳家 一琴
「お直し」 柳家 小里ん
仲入
「夕立勘五郎」 古今亭 志ん輔
「佃祭」 瀧川 鯉昇
桂宮治(みやじ)は落語芸術協会所属、昭和51年生れ、平成20年2月に桂 伸治門下でデビュー、昨年3月二ッ目になり、NHK新人演芸大賞を受けたと いう。 武蔵小山出身、戸越銀座在住というのが、何とも身近な感じがする噺 家である。
「つる」は、前座噺だ。 結婚前だったと思うのだが家内と新宿の末広亭で、 死んだ文朝がまだ小西(こさい)といっていた頃に、この「つる」を聴いたこと がある。 なんとも可笑しかったのが、強い印象として残っている。 前座噺 を大看板が演ると、とても面白いのだが、文朝は前座の頃から上手かったこと になる。 比較的若くして亡くなったのが惜しまれる。
そこで宮治、走って賑やかに出る。 隠居の所にやって来て、隠居は何もし ないでいい暮しをしている、みんな「○○ぼう」じゃないかと言っている、と。 中には褒めるのもいて、隠居は物知りだ、「町内の生き地獄だ」と、「生き地獄」 を連発する。 それは「生き字引」だろう。
じゃあ聞くけれど、床屋の床の間に鶴の絵がかかっていて、みんな日本を代 表する名鳥だと言う、なぜでしょう? 姿形が美しいから、日本を代表する名 鳥だ、昔は首長鳥と言った。 いま何で「つる」というんですか? お帰り。 教えて下さい。 国家機密だ、誰も知らない、天皇と皇后とワシだけが知って いる。 ほかでしゃべらないと約束できるか、しゃべると殺される。 口は堅 い。 昔々、白髪の老人が浜辺の岩頭に立って、小手をかざしてかなたを見る と、唐土(もろこし)、中国の方から、オスの首長鳥が「つーーー」っと飛んで 来た。 あとからメスが「るーーー」っと飛んで来た。 白髪の老人が言った、 「つるだ」。
だめだよー、嘘だよー、の声を後ろに、辰公を土下座させよう、と飛び出す。 仕事が忙しいというのを、無理やり頼んで、土下座して、聞いてもらう。 爆 発の老人が…。 テロリストの老人か。 浜辺の岩頭。 浜幸(浜田幸一)と 知り合いか。 小手をかざしてカナダを見た。 肉眼で、カナダが見えるのか。 視力が106.7、物干から一枚のパンティが落ちて来た。 そんな奴がいるか。 人造人間、解像(改造)人間だ。 オスが「つーるー」っと飛んで来た。 あ とからメスが……。 さよなら。
もう一度、隠居に聞いて、また辰の所へ。 オスが「つーー」って飛んで来 て、「る」と止まった。 あとからメスが……、ヴァァァーーー。 何だ、どう した。 メスが、黙って飛んで来た。
宮治の「つる」、小西時代の文朝と違い、残念ながら爆笑とはいかなかった。
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