桃月庵白酒の「突落し」前半2015/03/11 06:35

 今月下席から真打昇進披露があるが、二ツ目は有難い。 タダ酒が飲めるし、 仲間と情報交換が出来る。 どう? 仕事。 13連休、最高で53連休なんてこ ともあった。 お金使わぬようにする。 時間は、たっぷりある。 新宿南口 におねえさんがいて、英会話の勧誘をする。 暖かい別室へ行き、飲み物が出 る。 その内に、こわいお兄さんが出て来るが、こちらは脅しに屈しない。 サ インするまで帰らなくていいのだから…、もっと恐い人が楽屋にいる。 明日 も、来ていいですか。 いいよ、来なくても。 真打の披露目、みんな集まっ て来て、食い物、飲み物がふんだんにある。 二ツ目仲間で、楽屋の名簿にあ る芸人を上から順に悪口を言う。

 若い者の暇つぶし、吉原に繰り出そうということになる。 金はあるか。 生 憎ない、ずっと生憎。 お耳を拝借…、(小声で)ありません。 銀行にあるよ、 俺んじゃないけど。 日本橋の日本銀行へ行って、表から祭の大きな団扇で煽 ごう、裏から何枚か出て来るだろう。 お前、悩みなんかないだろう。 ある よ、団扇はどこで借りて来ようか。

 いい考えがある、俺が棟梁で、お前達が仕手方ということでよければ、一晩 タダで遊べる。 中くれえの店へ行く、信ちゃんが、棟梁がいつも遊んでいる 角海老じゃないけれど、いいですかって、聞くんだ。 かまわねえ、登楼(あ が)ってやろうじゃねえか。 芸者を揚げて、さんざん飲み食いして、酔っ払 ったまま、おしけになる。 朝になって勘定だが、音羽屋の出番だ、清ちゃん、 柄だよ。 出かける前に、明日建前だから間違いのないようにと、おかみさん がお金預かってくれた、と言う。 バカヤロと、俺が殴る。 左側はオデキが カサブタになったところだ、右側にしてくれ。 大丈夫、右側を殴る、芝居だ。  信ちゃんが間に入って、若い衆を廊下に出す。 誰かが取りに行けばいいんだ が、今日は建前でみんな行かなくっちゃならない、近くだから取りに来てくれ と、若い衆を表に出す。 鉄漿溝(おはぐろどぶ)の所で、もてた、もてない、 という話になり、立小便をすれば判る、一番の奴に百円札一枚、羽織一枚やろ う、と言う。 若い衆も一緒にやらせて、後ろから誰かが鉄漿溝へ突き落そう って、やつだ。 すごいな、一生の知恵を使っただろ。