「冬日和」と「一茶忌」の句会2015/11/16 06:31

 12日は、第94回の『夏潮』渋谷句会だった。 出かける頃には暗くなって、 寒くなったなあ、と感じる。 『夏潮』は11月に100号を迎え、主宰の本井 英先生にお祝いと感謝、今後ともよろしくご指導をと、披講の前に幹事として 一言述べた。 兼題は「冬日和」と「一茶忌」、私はつぎの七句を出した。

冬晴やカモという名のカモはなし

鳴き声に見上げれば鳶冬日和

一茶忌の犬に引かれる散歩かな

凩を雪隠で聞く一茶の忌

信濃路は雪の便りや一茶の忌

このマンション終の栖か一茶の忌

 私が選句したのは、つぎの七句。

冬晴れや溜りし家事の次から次    なな

冬晴れや杖軽き日の万歩計      ひろし

釣堀に親子並んで冬日向       一舟

冬日和朝な夕なに遠の富士      真智子

ベランダの雀に餌を一茶の忌     やすし

一茶忌に蕎麦大盛りを平らげる    明雀

一茶忌や小学校で習ひし句      さえ

 私の結果は、<冬晴やカモという名のカモはなし>を英主宰と盛夫さん、 <江ノ電で海を見に行く冬日和>を盛夫さん・明雀さん・耕一さん、<鳴き声 に見上げれば鳶冬日和>を明雀さん、<信濃路は雪の便りや一茶の忌>を真智 子さんが採ってくれた。 主宰選1句、互選6票、計7票、7句選だから出入 トントンいうところか。 <冬晴やカモという名のカモはなし>の主宰評…「す みません」という感じ、昭和天皇が「雑草という草はない」とおっしゃったの に似て。 たしかにマガモ、カルガモ、オナガカモ、キンクロハジロなどなど。  ただ「冬晴や」と大きく切っているので、「なし」だと喧嘩になって、「冬晴」 が少し陰る。 「なく」として、<冬晴やカモという名のカモはなく>とした 方がよい。