百寿者研究からみた健康長寿のヒント2015/12/09 06:29

 百寿者には、独特の性格特性があり、高い幸せ感を持っている。 百歳まで 生きるための性格は、男性では「新しい事が大好きで、好奇心が旺盛、環境を 受け入れる適応力がある」、女性では「家族の面倒をよく見る、人付き合いが上 手、一家を取り仕切る、ゴッドマザーのような方」と分かった。

 幸せ感の強い人が長生きするらしく、機能が悪くても幸福感は高い。 なぜ 百寿者が幸せかについて、「老年的超越」という仮説がある。 1. 衰えた時、 得意なものを選び、集中して、補正する。 2. よいことのみに集中する。 3.  個人的なこと(自分の経験)から、宇宙的なこと超越的なことに注目するよう になる。 自己感、社会関係への考え、宇宙観などが変わってくる。

 具体的に、インタビューの答から、百寿者はなぜ幸せか? 昔と今を比較し て、今は年寄りならではの楽しさがある。 悲しいことや辛いことの記憶がな いから、楽しいことやうれしいことばかりだったと思う(被爆者)。 生きてい ても仕方がないなどと思うことは、ない!! 死んだら何もできないじゃないか (109歳男性)。

 幸せの要因。 (1)達成感。 (2)受け入れ…心配しても仕方ない(110 歳女性)。 (3)希望…何歳でも希望は必要、126歳まで生きたい(110歳女 性)。 (4)家族と老いる…東アジアの高齢者の幸せ感は家族のなかで老いる こと(サムスン研究所所長ParkSanChul)。 (5)宗教観…亡くなったら観音 様が包んでくれる(102歳女性・波乱万丈の人生)。

 百寿者とその家族との話から、介護について考える。 百寿者家族の介護負 担度は、85歳介護者に比べて低い。 血縁関係は介護負担には影響しない。 家 族が気を遣い、ストレスをうまくコーティングするテクニックがある。 介護 のエピソード。 1. 東京都108歳男性のお嫁さん…父とはとても仲良し、お 互いに言いたいことをズケズケ言うことにしているので、はたから見ると、私 は鬼嫁でしょうね(笑)。(友達関係) 2. 四国106歳女性のお嫁さん…色々 と工夫しながら、介護を楽しむ、毎食豊富なアイデア料理、入浴には相撲のま わしのようなベルトを考案、本人も「とても大切にしてくれて、世話をしてく れるので本当にありがたい」と。

 そこそこの経済力が必要で、カスカスでは駄目。   広瀬信義さんの「百寿者エピソードからみた健康長寿のヒント」の結論は、 「明るく、前向き、周りの人と良い関係をつくることが、幸せな、長生きの秘訣!」。