中川眞弥先生の講演「『文字之教』を読む-徳富蘇峰の指摘-」2016/02/07 07:08

 2003(平成15)年6月20日の「ジャーミネーターの会」で、中川眞弥先生 は「『文字之教』を読む-徳富蘇峰の指摘-」という講演をなさった。 とても 勉強になる、良いお話だった。 当時<小人閑居日記>に二日にわたって書い ていたが、まだブログにする前だったので、ここに改めて紹介させて頂くこと にした。

『文字之教』を読む<小人閑居日記 2003.6.25.>

 6月の第三金曜日には、毎年「ジャーミネーターの会」がある。 近年は有 楽町の日本外国特派員協会が会場になっている。 高校時代に、日吉の慶應高 校と三田の女子高、それに私の志木高で、新聞を作っていた仲間の会だ。 「ジ ャーミネーター」というのは、発芽試験器だそうで、三校の新聞部が新人研修 のために出していた研究紙の名前だった。 洒落た先輩(生意気な高校生)が いて、名前にしても、そんな新聞を出していたことも、大したことをやってい たものだと思う。

毎年スピーチがあるが、今年(20日)は幼稚舎の舎長をなさった先輩(9 年上)中川眞弥さんの「『文字之教』を読む-徳富蘇峰の指摘-」という話を聴 いた。 『文字之教』は、福沢諭吉が明治6年に刊行した子供向きの国語教科 書である。 従来の難しい四書五経の素読といった方法でなく、やさしく、漢 字をわずか928種しか使わずに、日常の役に立つ言葉や文章が身につくよう に工夫されたものだ。 『第一文字之教』『第二文字之教』『文字之教附録 手 紙之文』の和綴三冊本、『手紙之文』は草書体の木版刷り、実際に手紙を書くた めの手本になっている。 今日、ほとんど、読んだ人はいないだろう。 中川 眞弥さんの話を聴くうちに、それが、素晴らしいものだということが、徐々に わかってきた。