「渋谷句会」で生れた句、わが学習2016/07/30 06:19

 児玉和子さんの第一句集で「誕生の現場に立ち会った句」を書いたが、第二 句集『熊鈴が』では、さらにその数が多くなっている。 5月に100回を迎え た『夏潮』渋谷句会では毎回並んで、兼題の句座を共にしているからだ。

ジッポーのライター重し昭和の日

湯上りの子のぴかぴかや菖蒲風呂

蚕豆のお歯黒の口にんまりと

籐椅子や祖父が座りし父が座りし

堂々たる蜘蛛の囲の出来上がりたる

中継ぎのピッチャー打たれ冷奴

稲筵遠く新幹線よぎる

肌寒やともしび映る渋谷川

持ち帰る大根を選び引きにける

枇杷の花伊東を過ぎて山に入る

 『熊鈴が』にも、難しい字や、俳句独特の措辞があって、調べたり確かめた りして勉強になった。 <廣業の富士の一幅淑気満つ>廣業(寺崎こうぎょう)、 ヲコト点、<法鼓鼕々御護摩愈々梅の寺>法鼓鼕々(ほうくとうとう)、唐箕(と うみ)、鑓水、師崎(もろざき)、受難節、大椨(おおたぶ)、筆硯(ひっけん)、 象(かたど)る、猫間障子(開閉できる小障子が組み込まれた明り障子)、閉(た) て、<春陰の菩薩の腰の寛におはす>春陰(しゅんいん)、寛(ゆた)、<のど けしや郷社といへど式内社>郷社(ごうしゃ)、式内社(延喜式内社)、雀斑(そ ばかす)、零(こぼ)す、<夏座敷句仏素十の句短冊>句仏(大谷光演)、玉苗 (早苗、玉は美称)、黐(もち)、檜洞丸 登山<徒渉る沢に青石時鳥>檜洞丸(ひ のきぼらまる、西丹沢)、徒渉(かちわた)る、山巓(さんてん、山頂)、<楷 の木の木蔭を蟻の孜々として>楷(かい)の木、孜々(しし、つとめ励むさま)、 嚏(くさめ)、滑莧(すべりひゆ)、過(よぎ)りぬ、<晩夏かな赤水激つ蛇堀 川>激つ(たぎつ)、滾(たぎ)り、三波石(さんばせき)、御塩殿(みしおど の)、残(のこ)んの、去(い)んで、諏訪 吟行<宮川の潺々として荻の風> 潺々(せんせん、浅い水がよどみなく流れるさま。また、その音)、蘆(あし)、 <肌寒の外階段を戛々と>戛々(かつかつ)、落暉(らっき)、料(りょう)る、 顰(ひそ)み、蝗(いなご)。

判らなかったのは、<淡路町に高田屋ありき夏燕>高田屋(蕎麦屋か?)、< 赤ざれに被さりて行く夏の霧>赤ざれ(ネットに「赤ザレの登山道」という写 真があるのが、それらしいのだが…)、杞陽忌<立冬の御廟ゆゆしき御忌日>ゆ ゆしき(すばらしい、立派であるの意か?)。(コメントをご覧ください)