渡辺祐樹さん、AI(人工知能)活用の起業へ2016/09/23 06:12

 仲間内の情報交流会で、35歳の経営者のAI(人工知能)の話を聴いてきた。  2005年に慶應義塾大学理工学部を卒業したカラフル・ボード株式会社代表取締 役CEO、渡辺祐樹さんの『慶應発AI(人工知能)技術を活用した、新しい社 会創発へのチャレンジ』―「第4次産業革命」と言われる人工知能の可能性と、 カラフル・ボード社が開発するSENSY(センシー)の具体的事例―という話 だ。

 渡辺祐樹さんは、高知県の土佐清水市の出身、理工学部では物理情報工学科 (旧:計測工学科)システム工学分野で、人工知能関連研究に従事した。 元々 物理が好きで、世の中の事象を、シンプルな計算式で表せることに魅力を感じ ていたが、その中でも、人工知能は人の頭の中にある感覚や感性といった「目 に見えないもの」を可視化できるところに面白みを感じたという。 主に人工 知能の処理速度を早くするための基礎研究をしていたが、4年生の春先にふと、 この基礎研究を続けることが、果たして誰の役に立つのか、いったい何年後に、 誰が社会に適応させるのか、そんな疑問、違和感を持ってしまう。 そこで、 改めて自分は何をしたいのか考えた。 根底にあるのは、やはり新しいものを つくり出したいとの思いであり、それが社会とつながりを持てることでなけれ ばならないということだった。 そして、新しい「技術」をつくりたいのでは なく、新しく「世の中の役に立つこと」をつくり出したいのだ、と気づいた。  そのためには、起業家として新たな産業をつくり出すことが一番の近道だと。 (つづく)