三つの会社で起業の力を身につける2016/09/24 06:32

 2005年に慶應義塾大学理工学部を卒業、5000人の応募者の中から選ばれた 20人が3年間働きながら起業するための力を身につける株式会社フォーバル の「アントレプレナープログラム」の一期生として入社、脱落者が続出する厳 しい環境の中、新規の法人営業、少人数チームや代理店営業のマネジメントな ど、様々な力を身につけた。 2007年、戦略コンサルタントとして大きなビジ ネスを動かす力をつけたいと、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会 社に転職、事業や人事の戦略を策定したり、マネージャーとしてクライアント との折衝する力を身につけた。

 アパレルメーカーのプロジェクトに参加、業界の現状を分析して、売上に対 して「在庫率」が異常に高い問題が見えてきた。 売れ残るのが普通で、二次 流通はしにくく、させたくもなくて、廃棄処分されている。 2008年、2009 年、この資源の無駄をどうにか出来ないかを考えた。 アパレル業界以外にも、 食品の廃棄や教育の格差など、同じような問題がある。 需給のミスマッチに よる様々な社会的課題を、何とか解決できないか。 消費者は、何でもネット で手に入れることができる。 しかし、「黒 ジャケット」で検索すると、9164 件ヒットする。 その中で、好みの品物と、どう出合うのか。 需給の両サイ ドから「出合い」の問題を解決したい。 ファッションの感性(センス)を解 析し、人の好みや特徴を正確に把握できたら、マッチングがうまくゆく。 そ の感性の学習にAI(人工知能)が活用できるのではないか。 人の持つファッ ション感覚や好みを人工知能に学習させ、生産から小売にまでフィードバック することで、「売れるもの」の予測を立てられるようにしようと考えたのである。

 コンサルタントとしての力はある程度身につけたのだが、財務や会計の知識 のないことに気が付いた。 どうせやるなら一番高いレベルで勉強しようと、 働きながら公認会計士を目指す。 深夜、早朝に集中して勉強し、1年ほどで 試験を突破、2009年に日本公認会計士協会準会員登録(2011年 本会員登録) した。 資格取得後の2010年、新規事業のコンサルティングを行うイーソリ ューションズ株式会社に入社。 三井不動産、日立製作所、シャープ、NTT等 19社が参加するジョイント・ベンチャー「スマートシティ企画株式会社」設立 に1年半ほど参画した。

 2011年、大学と共同研究を始めつつ、満を持していよいよ、人工知能を使っ てアパレル業界の問題を解決する事業、カラフル・ボード株式会社を立ち上げ た。 社名の「カラフル」は多彩なデザイン、コンテンツあふれる世の中、「ボ ード」は、みんなで作っていく業界ネットワーク、会議のボード、世界へ発信 するボードを、イメージした。(つづく)