再び鎌倉と山口蓬春記念館へ2017/03/23 06:34

 先日仲間4人で行った鎌倉の居酒屋、とても美味しかったので、家内を連れ て行った。 地ワカメのサラダ、刺身(鮪、蛸、鰤)、鯵のフライ、ワカメの味 噌汁(澄まし汁かと思ったら、塩分控えめの味噌使用とのこと)、家内も大満足 の味だった。 この店の感じのいい奥さんが、先日少し酔った友人は大丈夫だ ったかと、聞いてくれた。

 この日の目的は、葉山一色の山口蓬春記念館で開かれている「山口蓬春邸の おもてなし―蓬春夫妻の美意識を探る―」展だった。 山口蓬春記念館には、 2005年6月に神奈川県立近代美術館葉山の「片岡球子展」を見に行った時に寄 ったことがあった。 友人の建築家吉田五十八の設計による木造の自宅と画室 (生前のままになっている)が、とてもすばらしかった記憶があった。 12年 ぶりに訪れてみると、入口からちょっと様子が違う感じがした。 鉄とガラス が目につき、展示室にも銀行の金庫室の扉のようなものがついている。 山口 蓬春生誕120周年の2013年から翌年にかけて、運営しているJR東海生涯学 習財団が記念事業としてリニューアルしたそうで、別館も建て替えられていた。  12年前の印象がとてもよかったので、家内はがっかりしていた。 吉田五十八 の設計の画室と茶の間は、昭和28(1953)年12月の竣工から60年以上が経 って老朽化が進んでいたので、今回、補正工事が行なわれ、「山口蓬春邸のおも てなし」展となったようだ。

 山口蓬春(1893~1971)は、師松岡映丘の新興大和絵会に参加したあと、新 しい日本画の創造を目指し独立、戦後は知的でモダンな装飾的なスタイルを確 立、さらには写実を極めたりと、つねに新しい日本画を探求し続け、文化勲章 を受けた。 蓬春の画室には、文化勲章と勲記(本名は山口三郎と知る)と、 新宮殿杉戸絵≪楓≫の四分の一下絵、入江相政の書「遊」の額が展示されてい た。 蓬春が新宮殿の杉戸絵を描いていることは知らなかった。

 蓬春のコレクションでは、与謝蕪村の≪雛画賛≫、尾形光琳≪飛鴨図≫、ピ カソの≪ピエロとアルルカン≫、ルオーの≪三人の裸婦≫、加藤栄三の≪聖誕 日の夜明≫(聖路加病院、昭和34(1959)年)などもある。

 蓬春と北沢楽天、狩野光雅の三人で描いた≪描猿猴≫、蓬春の春子夫人も日 本画家・齋藤光園で≪牡丹と黒猫≫(大正14(1925)年頃)は共に、さいた ま市立漫画会館蔵だった。 北沢楽天は『時事新報』で漫画を描いていた人だ が、春子夫人は独身時代に北沢楽天宅で暮らしながら、日本画家・平福百穂の もとで日本画を学んでいたという。

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