春風亭正太郎の「そば清」前半2017/06/04 07:55

 5月31日は、第587回の落語研究会だった。 半蔵門駅を出た麹町交差点 で、工事中の住友のビルが忽ち姿を見せているのに驚いた。 カーテン・ウォ ール工法というのか、ガラス壁を貼りつけるだけで、形になるのだった。

「そば清」      春風亭 正太郎

「明烏」 ろべえ改メ 柳家 小八

「三方一両損」    春風亭 一朝

        仲入

「犬の災難」     桃月庵 白酒

「死神」       柳家 権太楼

 正太郎、落語研究会に出られるのはステータス、落語少年だった頃、深夜に やる山本文郎アナが「中継放送」と言う番組を見て、録り溜めしていた。 円 生師匠が出てると、降霊会のようで…。 二ッ目、地方に呼ばれて打ち上げが ある。 たいていは美味しいが、たまには、オッ! というものがある。 私の 口が合わないんだろうと、珍しい味ですね、あと引く、と言うと…。 地元の 者は、食べないんですよ。 長野の諏訪湖のボート乗り場に、「バッタ・ソフ ト」というのがある。 バニラアイスに、イナゴの佃煮が五匹、刺さっている。  イナゴの佃煮は、台所を這いずり回っているあいつにしか見えない。 どうな るか、アイスは溶けるが、イナゴの佃煮は溶けない。 どんなものか、ネット に画像があるから見て下さい。 「バッタ・ソフト」売れますかと聞いたら、 大好評なので、あの地方の「ざざ虫、蜂の子、全部乗せ」もつくった。 「バ ッタ・ソフト」だけに、飛ぶように売れてます、と。 信州は、そばどころで。

 あなた、評判ですよ、せいろ(蒸籠)を六枚たいらげたって。 「どーも」。  十枚、一両の賭けをしませんか、負けたら相手のそば代も払うということで。  十枚は無理でしょうが、お近付きの印に、越して来たばかりなので、では明日。

 「どーも」。 源ちゃん、六さん、手伝って。 一枚、二枚…、五枚、退屈 でしょ、そばの曲芸をやりましょう、そばを食べながら、うどんの音を出す。  そばは、ズル、ズル。 うどんは、ズルーーッ。 余裕があるね、あと一枚だ。  はい一両。 よっぽど、身体の調子がよかったんでしょう、「どーも」。

 十五枚、二両。 昨日は外へ出て、小間物屋になりました、今日は一両つけ てお返しするつもりで。 曲芸、そばを食べながら、きし麺の音を出す。 ズ ル、ズル。 ズルーーーーッ。 十五枚、やりましたな、ヘッヘッヘ、「どー も」。 

二十枚で、三両。 死んじゃいますよ。 死ね。 だんだん見物も増えてく る、そば屋もそば粉を仕入れた。 昨日より早い。 退屈でしょ、とろろそば の音を出す。 ズズズズズズズルーーッ。 今日は曲芸を全部、お見せする、 うどん、きし麺、とろろそば。 あんた、余裕がありますね。 ズルーーッ。  ズルーーーーッ。 ズズズズズズズルーーッ。 二十枚、やりました、三両「ど ーも」。 ゲラゲラ笑っている人がいる。 笑うか、しゃべるか、どっちかに して。 知らないんですか、あの人は「そばの清兵衛さん、そば清」、そばの 賭けで家を三軒建てた。 ふだんは、四十二、三枚でやってる。 明日、四十 五枚、五両でやろう。

「どーも」と来たが、四十五枚、五両、今日はほかでやって来たからと、プ イと逃げた。

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