「隠れ家のような料理店」の献立2017/06/25 06:51

 北鎌倉は駅名で、地名は山ノ内、円覚寺の山ノ内ということなのだろう。 北 鎌倉駅前の道を大船方面へ。 松花堂で、小川糸さんの『ツバキ文具店』にも 出て来た、家内の好きな「あがり羊羹」を買う。 前から女学生が沢山帰って くるのは、北鎌倉女子学園の生徒だろう。 お洒落な建物の鎌倉小坂郵便局を 右に見て進み、さらに先の光照寺へ行く道を左折する。 掲示板に山ノ内下町 町会とある。 光照寺は、時宗(じしゅう)の開祖一遍上人が、念仏布教のた めに鎌倉に入ろうとしたのを時の執権北条時宗の警護の武士に阻まれ野宿した 地に建立されたといわれる。 山門の欄間にはキリスト教の十字架を意味する 「クルス紋」が掲げられ、隠れキリシタンを受け容れていたという伝承もある らしい。 その光照寺の前を、右に入った左側に「隠れ家のような料理店」は、 看板も出さずに隠れている。

 「北鎌倉茶寮 幻董庵」、元は田中絹代の別荘だったとか、隣席の人が話して いたが、確かなことはわからない。 急な階段を二階へ上がる。 円覚寺の裏 山の緑が目に入る。 昼食、正午に始めて、ゆったりと二時間ほどかかると、 聞いていた。 二階の席はざっと数えて27人ほど。

 〔先付〕夏野菜(茄子、里芋、南瓜)とツナ(か、サーモン)のずんだ和え、 ディル(だと思う)のせ。〈朱漆布目の折敷、竹箸、織部の箸置き。赤い半月形、 鼎の陶器〉 〔お造り〕スズキ、真鯛、黒鯛の昆布締め分葱との海苔巻き。下 敷の紅しぐれ大根、辛味がきつい。〈器は金属の蓋と簾の子〉ここまでで、25 分。 〔澄まし椀〕カマスと枝豆豆腐、蓼・茗荷・オクラのせ。カマスは皮が 香ばしい、枝豆はやや固めに茹でてある。仲居さんが「蓼食う虫も好き好き」 と言ったので、敢えて食べてみたら、苦かった。〈金銀の蓮の葉文、黒漆椀〉  〔焼き物〕カレイと茄子の鍬焼き、笹掻きゴボウのせ、薩摩芋薄切甘煮、も ずく〈青いカットグラス猪口〉。ユキノシタの葉敷き〈白い陶器〉ここまでで、 1時間5分。 〔冷やし煮物〕蒸し鶏、冬瓜、南瓜(なんきん)ソース、剥き プチトマト。〈白瑠璃碗風のオパールのグラス〉 〔揚げ物〕南瓜と海老しんじ ょの博多揚げ(挟み揚げ)、蛸の薩摩揚げ、しし唐素揚げ。〈ひょうたん形の陶 器〉 〔食事〕アサリの時雨ご飯、赤だし、香の物。 〔デザート〕黒胡麻の ムース、コーヒー。

 それぞれに満足の味で、満腹になった。 温かいものは温かく、冷たいもの は冷たく供される、2時間弱かかったが、悠々と食べられた。 板場の人数を 訊いたら、3人だそうで、一階を含めて40人ほどの客に出すのに、やはり戦場 のようだそうだ。

コメント

_ 轟亭  ― 2017/06/29 07:33

 田中絹代の元別荘は、鎌倉山の「檑亭(らいてい)」という蕎麦と会席料理の店ではないか、という話を聞いた。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「等々力」を漢字一字で書いて下さい?

コメント:

トラックバック