Nスペ「人工知能 天使か悪魔か 2017」2017/06/30 07:07

 25日放送のNHKスペシャル「人工知能 天使か悪魔か 2017」を見て、衝撃 を受けた。 その衝撃は、26日に14歳の中学3年生藤井聡太四段が30年ぶ りの新記録、公式戦29連勝を達成することによって、補強された。 その急 成長には、人工知能(AI)の活用があったと報道されたからだ。

 NHKスペシャルは、昨年5月15日放送の「天使か悪魔か 羽生善治 人工 知能を探る」の続編である。 今年の春、将棋の第二期電王戦の第一局が日光 東照宮であった。 佐藤天彦名人・叡王(22)と人工知能ポナンザの対戦であ る。 コンピューター将棋ソフト、ポナンザを開発したのはプログラマーの山 本一成さん、プロ棋士の対戦した5万局の棋譜を「教師データ」として機械に 学習させ、自己対戦を700万局させた。 人間が一年に3500局やったとして、 2千年かかる。 人工知能は未知の戦法にたどりつく。 羽生善治三冠(46) が、名人vs人工知能を読み解く。 ポナンザは、3八金 と思いがけない手を 指し、佐藤天彦名人は頭を抱える。 ポナンザは3八金を足がかりに「中住ま い(なかずまい)」という強固な陣営を築く。 佐藤名人は第二期電王戦の第一 局でポナンザに敗れた。 羽生善治三冠は、今までシャベル、スコップでやっ ていたのを、ブルドーザーで開拓するようなものだ。 人間は一部分の局面し か見て来なかった、と言う。 

 5月17日、第75期名人戦で、佐藤名人はコンピューター将棋ソフトを研究 した、定跡に囚われない指し手を見せた。 研究用人工知能は、銀河系の中に いたのが、他の惑星に行くようなものだという感想をもらす。 しかし5月20 日、姫路城で行われた第二期電王戦の第二局で、佐藤名人は再び人工知能ポナ ンザに敗れ、これが6年にわたった電王戦の最後の勝負になった。

 人工知能(AI)はモンスターのような進化を遂げている。 将棋の世界で起 こっていることは、現実の世界でも起こり得る。 社会で起こる事を先取りし ているのだ。 番組では、いくつかの例を紹介した。 名古屋のタクシー会社 つばめタクシーでは、向こう30分の客数の予測と場所(道路の方向)をカー ナビに表示する人工知能を導入、客数を20%伸ばした。 NTTドコモが開発 したもので、携帯電話の人間の位置情報の膨大なデータと、タクシー会社の持 つ乗降データ(天気、日付、曜日など)を、「教師データ」として人工知能に学 習させた。 需要と供給の最適化を図る移動革命だ。  金融では、人工知能(AI)の利用が顕著だ。 株式取引の80%がコンピュー ターになっている。 東証発表の株価データは1000分の1秒単位の超高速デ ータになっていて、人間の判断の速度を超えている。 ある証券会社では機関 投資家の取引を人工知能に任せている。 担当者はディスプレイを見ているだ けだ。

人工知能が、人間を評価するという事態も起こっている。 シンガポールの バス会社では、事故を起こす危険性の高い運転手を見つけ出す。 アメリカで は、過去の膨大な裁判記録を学んだ人工知能が、被告の再犯リスクを予測し、 刑期の決定などに関わっている。 日本のある企業でも、退職の予兆がある人 を、人工知能が事前に察知するというシステムを導入した。

プログラマーの山本一成さんは、人工知能(AI)は答を出すが理由を示さな い、書いている本人もわからない、と言う。 このブラックボックスが大きな 問題になる可能性がある。 タクシー会社での人工知能(AI)の利用にしても、将来自動運転ということ になれば、運転手にとっては「天使か悪魔か」。 人工知能の進化は止まらない、 皆さん、心の準備はいいですか? というのが、番組の結論。

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