立川志の八の「悋気の独楽」2017/11/04 07:09

 10月31日は、第592回の落語研究会だった。

「悋気の独楽」       立川 志の八

「ねぎまの殿様」 時松改メ 三遊亭 ときん

「うどん屋」        柳家 さん喬

        仲入

「短命」          立川 生志

「付き馬」         三遊亭 小遊三

 立川志の八、11月1日に真打に昇進するので、二ッ目のラスト高座だという。  立川流、真打までに17年かかった。 誰のせいか、ということは口が裂けて も言えないけれど、男か、女かと言えば、男子。 次に出るときん師匠の方が 後輩だけど、先に真打になった。 妬(ねた)みは人間の本能だが、いい嫉妬 と、悪い嫉妬があるそうだ。 いい嫉妬はジェラシー、追いついてやろうとす る。 悪い嫉妬はエンビー、引きずり落してやろうとする。 時代はジェラシ ーだ(さかんに首を振る)。

 これから出かけるよ。 どちらへ。 寄席だ、噺家が面白い噺で、笑わせて くれる。 どうせ噺家が、お白粉つけて待ってるんでしょう。 寄席だよ。 行 ってらっしゃい。 行ってきやがれ、くやしい。 貞吉、旦那はおかしくない かい。 旦那のおかしいのは、今に始まったことじゃありません。 跡をつけ て、どこへ行くか、見て来てくれないか。 まだ、ご飯食べてません。 女中 のお清が、いじわるで、ご飯を食べさせてくれなくなります。 お小遣いをあ げるから。 いかほど。 五十銭。 五十銭か、何を買おう、夢がふくらむよ。  旦那、旦那、旦那――ッ。 何だ、貞吉じゃないか。 追い越しちゃった。 お 使いか、早くお行き。 旦那からどうぞ。

 ドンドン、私だよ、開けてくれ。 姐さん、旦那が見えました。 アラーー ーッ! 忙しくってな、なかなか来られなかった。 お供さんですか。 貞吉、 まだいたのか、うまいこと言って、帰してくれ。 はい、お小遣い、貞吉さん は甘い物がお好き? 目がないんで。 お清、栗饅頭を。 玄関で食べて帰っ て。 (一度に食べて胸をどんどん叩き)うちで、饅頭なんて頂いたことがな い。 こちらのお清さんはおきれいで、店の女中もお清ですが、いじわるでひ どい顔、やかましい。 ゆっくりして行きなさい。 この独楽はなんですか。  辻占の独楽、黒いのが旦那の独楽、赤いきれいなのが私の独楽、色のはげたボ ンヤリしたのがご本妻の独楽。 回して、旦那の独楽がくっつくほうに、お泊 りになる。 独楽、持ってらっしゃいな。 ありがとうございます、店で遊び 道具は、小僧には回ってこない。 早く、お帰り。

 行って参りました。 旦那は寄席に行かれました、間違いなく。 お友達と 会って、飲んで帰るから晩くなるそうで。 お清に言った、お握りがあるから。 立つんじゃないよ、そこで食べればいい。 饅頭とは、別腹で。 何? 美味 しゅうございました。 変な味がしなかったかい。 変な味? 梅干と、熊野 の牛黄散、嘘をつくと、血を吐いて死ぬ薬だ。 ずるい! 旦那はお妾さんの 所でございます。 いつも無駄をするな、辛抱しろって、言ってるくせに。 ど こなんだい。 根岸の里、女中のお清さんがおきれいで、うちのお清とはぜん ぜん違う、口が大きくて、鬼瓦みたいな。 本当のことを言わないと、血を吐 いて死ぬよ。

 お見せしたいものがある。 辻占の独楽、黒いのが旦那の独楽、赤いきれい なのがお妾さんの独楽、色のはげたボンヤリしたのがおかみさんの独楽。 回 して、旦那の独楽がくっつくほうに、お泊りになる。 回しなさい! お妾さ んの独楽から(クルッ)。 おかみさん血圧が上がりますから、気を静めて。 旦 那、ばれました、敵は卑怯な手で(クルッ)。 コツン。 お泊りです。 もう 一遍、やんな。 お妾さんの独楽、旦那と離れた隅の方で(クルッ)。 おかみ さんの独楽、旦那のそばで(クルッ)。 旦那が逃げる、逃げる、逃げる。  コ ツン。 お泊りです。 ぶつかるまで、何度もやりな! 駄目です、肝心の旦 那の独楽、心棒が狂っていますから。