三遊亭小遊三の「付き馬」前半2017/11/09 07:12

 出囃子は「バッテンボー」の「ボタンとリボン」、「私でお終い、安心して下 さい」と、トリは「笑点」の小遊三である。 2012.8.30.の「提灯屋」以来だ ろう、それまでも2004.12.24.「引越しの夢」、2006.1.23. もトリで「文違い」、 10.31.「鮑熨斗」、2008.12.25.「蜘蛛駕籠」を聴いているが、毎回くさしたり、 難を言ったりしていた。

 昭和33(1958)年、長嶋が巨人に入った年、日本が良くなった。 先輩は、 あの年がなければ、もっと楽しめたという。 3月31日、廓がなくなった。 私 は10歳、そういうことがあるってのも知りませんで、学校じゃ教えてくれな い。 けれど、今でも、形を変えてある。 札幌のススキノ、神戸の福原、名 古屋の中村、博多の中洲、千葉の栄町、川崎の堀之内、横浜の福富町、滋賀の 雄琴、広島の薬研堀、石川の片山津、米子の皆生。 東京は吉原、二ッ目の頃、 招待券をもらったけれど、手強いってんで、死んだ痴楽さんと行きました。 二 人で車を降りたら、スッと寄って来て、アンデルセンのマネージャーだという のが、お客さん、お客さん、というから、行きましたよ。 ところが、実はウ チ、アンデルセンの姉妹店でと、スッといかれる。 お金持ってないから、ア ンデルセンに電話したら、マネージャーが迎えに来た。

 吉原の七不思議、若い衆なのにハゲがある。 やり手とは名ばかり、もらい たがる。 若い妓は打っちゃって置きませんよ、と言われて、打っちゃって置 かれる。 勘定が払えなくなると、大門のところにいた馬子に頼んで付いて行 ってもらって取りにやる。 これを「付き馬」、馬と言っていたのが、勘定を持 っていなくなったりするから、店の人間、若い衆、妓夫(ぎゅう)が馬になっ て、付いて来るようになった。

 夕景、廓に灯が入る。 一晩のご愉快を! 登楼(あが)りたいけれど、銭 がない。 伯父貴の勘定を取りに行くところだ、勘定をもらったら戻って来る。  けど銭を持つと、人が変わる、駆け出すんだ。 深川でドンチャン騒ぎ、店も 顔もわからなくなる。 よろしいじゃ、ございませんか。 一晩、遊んで、手 紙を一本書こう。 やりますね、あなた。 お登楼りになるよ! 芸者、幇間 をあげ、派手に飲み食いをして、ドンチャン騒ぎ。

 昨夜は面白かったね、ウラをけえそうじゃないか。 お勘定、いくら? し めて28円50銭。 若え衆、間違いじゃないのか、祝儀なんか入ってないだろ。  安いよ! タダみてえなもんだ。 お内証が頭がいいんだ、馴染みになるよ。  手紙…、いかん、判子を忘れちゃったんだ。 俺の顔、知ってるんだ、付いて 来てくれるかな。 手前が? 善は急げだ、いい天気だね。

 仲之町のお茶屋だ。 ここじゃない、戸の色が違う。 ここだ、ここだ。 戸 が閉まっているな、時を稼ごう。 田町(たちょう)に伯母さんがいるんだ、 でっぷり太った伯母さんでね。 伯母さんはきれい好きだから、朝湯に入って 行こう。 関東の連れ湯だ。 関東の連れ湯って、聞いたことがない。 私も 初めて言ってみた。 手拭とシャボン、立替えて。 いい心持だね。

 湯豆腐なんて、乙だね。 ちょっと粋、朝から酒。 注文が、来ました藤吉 郎。 ワッと吞んで、2円30銭、安いね、ちょいと勘定払っといて。 もうな いんです。 さっき湯銭払う時、がま口見たんだ、隅に畳んであった衰弱した 5円札、世間に出そうよ。 お釣りか、細かいのはお前、大きいのは私。

 さっぱりして、天気がいいね。 観音様だ、パッと見ました、鳩から気付く。  ここを台所にしましょう、勝手にしろってね。 君も、たまには寄席へ行かな いと…。 仁王様、紙を噛んで、悪い所にぶつけると、治るんだ。 人形焼は どうだ、虫歯で食べられないのか。 玩具屋だ、チャンバラやろうか、剣術、 チャンチャラチャン。 雷門出ちゃったよ。 電車がチンチン。 おい、どこ へ行くんだよ、さっきから聞いてりゃあ、勝手なことばかり言いやがって。