柳家小太郎の「時そば」2018/01/29 07:10

 24日は、第595回の落語研究会だった。 22日の雪の後の道路は、ほぼ問 題なく歩けるようになっていたが、風が冷たかった。

「時そば」       柳家小太郎

「棒鱈」        金原亭 馬治

「三井の大黒」     入船亭 扇遊

        仲入

「後生鰻」       三遊亭 歌武蔵

「薮入り」       柳家 権太楼

 柳家小太郎、黒の羽織に、斑点のように見える模様の入った着物で、「という わけでございまして」、と始めた。 落語研究会、圧倒的なアウェー感、笑わね えぞ、という。 期待感がないのは、慣れている。 二ッ目で、勉強会をやる。  会場を借りる、そば屋の二階、寿司屋の二階、落語協会の二階、二階が多い。  高座をつくるのが、大変。 場所、高さ、照明など…、居酒屋で、床はリノリ ューム、カウンターがある。 小上りを利用して、高座をつくった。 上がる と、高座の後ろにも机が二つあって、客がいた。 落語は、上手下手を向いた り、身振り手振りなど、いろいろな手段を使って、お客様の想像力に頼る。 そ こに醍醐味がある。 後ろから見ても、わからない。 やってみましょう、と (後ろを向いて)、ご隠居さんいますか、八っつあんかい…(声も小さくしか、 マイクに入らない)。 面白くも、何ともない。 それと比べれば、落語研究会 は天国、アウェーだけれど。

 兄貴ィー、兄貴ィー、面白かったな、吉原。 飯を食いに行こう、銭はある か。 八文。 だらしないな。 兄貴はあるのか? 俺は七文。 なんでえ。  二人で十五文、そばでも食うか。 十六文だろう。 十六文のそばを、十五文 で食う、段取がある、お前は口を利くな。

 そば屋、こっちだ。 熱くしてくれ。 そばやーーッ、そばやーーウッ! や かましい、早く、早く。 お連れさんは、いかがで。 こいつか、そば食う面 (つら)じゃない、生きたまま犬猫食う面だ。 どうぞ。 ズルズル、ズルズ ル。 かつお節、おごったな、美味い。 (袖を引かれる格好をして)引っ張 るな、段取がある。 行燈は当り矢ってのか、ありかがてえ、縁起がいいよ、 俺達これからガラッポンに行くところなんだ。 ツルツル、ツルツル。 引っ 張るな、うるせえよ、食いてえか?  食いてえよ。

 ハーーッ、ツルツル、ツルツル。 引っ張るな、うるせえよ。 アーッ、ア ーッ、アーッ! もう三本しかない。 楽しませてもらう、長いな。 チュー ーーーッ! 中くらいだ。 チューーッ! 短いな、こんなに。 チュ! ハ ーーッ、ズルズル、ズルズル。 コーッ、ケッコーーッ! お前は、ニワトリ か。 いくらだい? 十六文。 銭がこまかいよ。 一つ、二つ、三つ、四つ、 五つ、六つ、七つ、八つ、今、何どきだい? 九つです。 十、十一、十二、 十三、十四、十五、十六。

 兄貴、悪い野郎だ。 隣で見てても、わかんなかったか?  本当は十六文 持ってるんじゃないか。 エッ、何が? (指を折って数える)一つ、二つ、 三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、今、何どきだい? 九つです。 十、 十一、十二、十三、十四、十五、十六。 十六って、指が……、兄貴、俺の指、 変だ。 にぶい奴だな。 どういうことだ? 六つ、七つ、八つ、今、何どき だい? 九つです。 十、十一…。 一文ごまかしたんだな、兄貴、うまいこ とやったな。 あのそば屋、馬鹿だな。 お前だ。

俺もやろう。 俺、おぼえちゃったから。 小銭を用意して、昨日より少し 早い時間に出かける。 そばやーーッ、こっちだ。 熱くしてくんねえ。 昨 日とそっくり同じことやんなきやあ、なんねえ。 そばやーーッ、そばやーー ウッ! やかましい。 何なんですか。 早く、早く。 お連れさんは、いか がですか、と言え。 いらない、いらない。 どうみても、あなた、お一人様 で。 かつお節、おごったな、美味い。 (袖を引かれる格好をして)引っ張 るな、段取がある。 行燈は、まご屋か、まごまごしちゃう。 引っ張るな、 うるせえよ。 そば屋が、笑ってるじゃないか。 笑ってません、どなたか脇 にいらっしゃるんでしょうか。 アーッ、アーッ、アーッ! もう三本しかな い。 長いな。 チューーーーッ! 中くらいだ。 チューーッ! 短いな、 こんなに。 チュ! ハーーッ、ズルズル、ズルズル。 コーッ、ケッコーー ッ! この人気持悪い、何だろう、この人は。 もう一杯いかがですか、と言 え。 もう帰ってもいいですか、客商売ですが、もう一杯いかが…。 いらな い。

いくらだい? 十六文。 銭がこまかいよ。 一つ、二つ、三つ、四つ、五 つ、六つ、七つ、八つ、今、何どきだい? 四つです。 五つ、六つ、七つ、 八つ…。

柳家小太郎、なかなかよかった。 与太郎が見ていて真似をするのではない、 このやり方は珍しい、と、前のを見たら、2009年3月2日の第488回に春風 亭昇太が演っていた。

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