『広辞苑』を遊ぶ「たほいや」2018/02/15 07:18

 『広辞苑』で思い出したのは、『広辞苑』で遊ぶ「たほいや」というゲームで ある。 20年ほど前に、フジテレビの深夜番組でやっていたのだそうだが、私 はパソコン通信と呼んでいた頃のネットの会議室(フォーラム)で、小林恭二 さんに教えてもらったと思う。 当時の番組に出演していたというタレント・ 俳優の松尾貴史さんが、『図書』2017年6月号に「『広辞苑』を遊ぶ「たほいや」」 を書いていたので、細かいことを思い出した。 「たほいや」というのは、静 岡県で山畑を荒らす猪を追い立てるための番小屋だそうだ。

 5~6人で遊ぶのだが、一人が親(出題者)になって、『広辞苑』から「たほ いや」や「ちんこきり」のような、耳で聞いただけではわかりにくい言葉を見 つけて読み上げる。 他の参加者は、その言葉の意味を知っていても知らなく ても、辞書の説明のような文面を「捏造」するのだ。 実際に放映されたお題 「ちんこきり」では、A「人前でとつとつと話し出すこと」B「鉄板・鋼板に穴 を開ける道具」C「手間賃をとってタバコの葉を刻むこと。また、その業者」D 「ハンガリーの三拍子の踊り。チンコキル」E「近畿・四国地方などで、ハサ ミムシのこと。灌木や岩の裏などに生息する」といった風に、適当な思いつき の説明を紙に書き込み、親に渡す。 親は『広辞苑』の解説を書いた紙を混ぜ て、番号を振って、順番に読み上げる。 参加者は、どれが正解かを予想・推 理し、チップを賭ける。 正解者には点数が加算され、間違った人はその答を 創作した人にチップを渡す。 それを出題者を代えながら繰り返す。 出題者 が一回りするか、制限時間が来れば、集計して、その日の優勝者が決まる。

 私も、三題出してみよう。 一「たかしこぞう」。 A「鷹匠の弟子。」B「台 風や低気圧によって、海水面が異常に高まり、海水が陸上に侵入すること。高 潮。」C「管状・樹枝状の褐鉄鉱。鉄分が地中の植物体のまわりに付着してでき たもの。」D「竹筒で作った、矢の容器。」E「和泉国の歌枕、高師の浜付近の子 供。」

 二「まひろげすがた」。 A「昼の真中。ひるひなか。」B「身分の低い者らし い恰好。」C「展開により切り広げられた図。展開図。」D「しどけない姿。」E 「大名屋敷の小者・人足などの詰所。」

 三「ちちんこ」。 A「鰍(かじか)の異称。」B「乳汁。」C「乳飲み子。」D 「のどかで日の永いさま。」E「生まれた児に、まず他人の乳を飲ませる風習。 乳わたし。」

 答は明日ね。