大河ドラマ『西郷どん』が面白い2018/02/21 06:39

 大河ドラマ『西郷(せご)どん』が、出だしから面白い。 林真理子の原作 を読んでいないから、原作なのか、中園ミホの脚本なのか、わからないが、史 実を離れて、文字通りドラマチックに展開しているところが面白い。 フィク ションとノン・フィクション、私などはどうも混同しがちで、いつも反省する のだが、史料のないところを想像力でつないで、面白くするのが、小説家や脚 本家の仕事、小説やドラマの魅力なのだろう。

 仲間で茶坊主の有村俊斎に菓子の旨さを聞いた、隣同士の西郷小吉と大久保 正助など下加治屋町郷中の悪ガキ共が、藩主の別邸内に入り込むことなど出来 るのだろうか、そこでは島津斉彬(渡辺謙)が大砲の発射実験をしていたのだ った。 島津斉彬が、かっこいい、かっこよすぎる。 第一回を見て、例の不 倫報道を雲隠れの有耶無耶にしてしまったのは、これがあったからだろうと、 下種の勘繰りをしてしまった。

 下級武士の西郷吉之助(鈴木亮平)が意見具申の手紙を何通も、直接江戸に いる藩主の世子斉彬に書き送ることなど出来たのだろうか。 藩主の斉興(鹿 賀丈史)は側室由羅(小柳ルミ子)に産ませた久光(青木崇高)に藩主の座を 譲りたい、二人ともいかにも悪そうだし、久光も間抜けていて、好演。 斉彬 は、何とピストルのロシアンルーレットで決めようと父斉興に迫るのだった。 

藩主となった斉彬は、記念の相撲大会を催し、それを島津御一門四家の姫於 一(おいち(おかつ?)・のちの篤姫。北川景子)が見物し、西郷に賭けをする。 西郷は 優勝するのだが、その西郷と何と殿様が相撲を取る。 西郷が勝って、なぜか 牢屋に入れられると、洋服を着た謎の男(劇団ひとり)が入っていた。 牢屋 に謎の男を殺しに来た者がいて、西郷が救い、どうなったのか、家へ連れ帰る。  かたくなで英語しか話さぬ男の心を、母の満佐(松坂慶子)が故郷の母のこと を思い出させて解きほぐす。 大久保正助(瑛太)の父で、遠島中の次右衛門 (平田満)がお役目で作っていた手書きの辞書が役に立って、謎の男は土佐の 漂流漁師ジョン万だとわかる。 アメリカで学校教育を受けたジョン万次郎は、 アメリカでは男女が親の決めた相手などでなくLOVEによって結婚すると話 す。 正助が好意を寄せる岩山糸(黒木華)が親の決めた相手と結婚すること になり、糸は西郷に、本当に好きだったのは吉之助だったと告白する。 冒頭 の回想シーンでは、この糸が、後に西郷の三番目の妻となり、上野の山に西郷 隆盛の銅像が建ったときに、私の旦那様はこんな人ではなかったと叫ぶのだ。  そういえば糸は、子供の時、少年たちが一番乗りを競う「妙円寺詣り」という 藩最大の行事に密かに参加して活躍し、女の子はなぜ学問ができないのかと、 言っていたのだった。