「似我蜂」「徳利蜂」は狩人蜂2018/03/04 07:08

「似我蜂」というのが面白い。 子供の頃、父がトックリバチ(徳利蜂)を 教えてくれ、観察したのを思い出した。 ドロバチ科で、腹部の基部が強くく びれ、その形が徳利に似ているのが和名の由来という。 草木の枝や家屋の壁 などに、泥を練って器用に壺形の巣を作って、卵を一つ産んで壺の天井に紐で つるし、狩りに出かけて、集めてきて麻痺させたシャクトリムシやシャクガや ヤガの幼虫などを運び入れ、幼虫の餌にする。 孵った幼虫は、壺形の巣の中 で、それを食べながら育ち、巣立って行く。 「似我蜂」も、その習性が「徳 利蜂」に似ている。 こうした蜂を、狩人蜂、狩蜂というらしい。

『広辞苑』第七版

じがばち【似我蜂】

 「アナバチ科ジガバチ亜科のハチの一種。体長約25ミリメートル。7~8月 頃地中に穴を掘り、しゃくとりむしなどを捕らえ、貯えて幼虫の食物とする。 獲物を穴に入れる時、翅をじいじい鳴らすので、古人が「じがじが(似我似我)」 と言って青虫を埋めると蜂になって出てくるものと思い、この名がついたとい う。」

『日本大百科全書(ニッポニカ)』

ジガバチ   じがばち 似我蜂 sand wasp

「(前略)体は棒状で細長くはねは比較的短い。巣穴は地面とほとんど直角に大 あごで直径5~8ミリメートル、深さ1~3センチメートルの縦穴を掘り、その 先に直径1~1.5センチメートル、深さ2~3センチメートルほどの楕円形の独 房をつくる。狩りに出かける際は巣穴をふさぎ、獲物はヤガやシャクガの幼虫 を狩ってくる。麻痺状態の幼虫(アオムシ)を独房に引き入れ、その横腹に1 卵を産み付けるが、獲物の量が不足すると次の狩りに出かける。穴に詰めた砂 は出入りの度に開閉されるか、永久戸締りの際は詰め砂の上を念入りに顔面で たたき、ときには小石をくわえてたたき固める。ジガバチの名は、大あごで巣 を掘り起こすとき「ジガ、ジガ、……」と聞こえる翅音をたてることに由来す る。(後略)」