映画『気違い部落』、アッパッパ・ちょぼいち2018/03/14 06:38

 きだ・みのる「日本文化の根底に潜むもの」部落共同体の精神構造で、思い 出したことがある。 1957(昭和32)年、高校1年生だった私は、きだ・み のる原作の『気違い部落』(松竹)という映画を観た。 渋谷実監督、菊島隆三 脚本、出演は伊藤雄之助、淡島千景、伴淳三郎、石浜朗など。 三人のおばさ ん(お婆さん?)が、下から風が吹き上げる神社の石段を降りて来て、「アッパ ッパーはいいねえ」と笑い合ったのが、強く印象に残っている、60年を経ても …。 配役を見ると、清川虹子、賀原夏子、文野朋子(?)の三人だったらし い。 浦辺粂子、飯田蝶子、北林谷栄、浪花千栄子、菅井きん等ではなかった。  「アッパッパ」は、今や半死半生語であろうか。 『ブリタニカ国際大百科事 典』には、「第1次大戦後の大正末から昭和初期にかけて普及した、日本で初 めての婦人既製服に名づけられた関西風の俗称。半袖のゆるやかな夏用ワンピ ースで、日本の気候に合致した簡便さと合理性が人気を呼び、全国的に広まっ た。地味な一重の木綿性で、一般にはウエストに共布のベルトがついている。 この服の普及は女性大衆の洋装化にとって風俗史上意義を持つ一方、国民的創 意と西欧文化への順応を示したものとして注目される。」とある。 『気違い部 落』の「アッパッパー」は、おそらく派手な化繊(化学繊維)で、共布のベル トはなかったと思う。

この映画で、「ちょぼいち」という遊び(賭博ゲーム)を知って、家に遊びに 来た友達と、実地にやってみたりした。 子供の頃から、ルーレットで遊んで いたからだ。 『日本大百科全書』の「ちょぼいち」には、「樗蒲一。さいころ 1個を使用し、一から六までの出目に金銭を賭ける賭け事。わが国に盤双六が 伝えられたのち、奈良時代の初めに始まったと思われる。客は何人でもよく、 胴親が用意した一から六までの数字が書いてある紙または板の数の上に、思い 思いに金銭を賭け、胴親はさいころ1個を壺に入れて振り出し、出た目と同じ 数字の上の賭け金にはその4倍を支払い、そのほかの掛け金は胴親がとる。[倉 茂貞助]」とある。

原作となった、きだ・みのる『気違い部落周游紀行』は、冨山房百科文庫に 入っているようだ。

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