「春田」と「ミモザの花」の句会 ― 2018/03/23 07:15
3月8日は『夏潮』渋谷句会だった。 本井英主宰の入院加療は続いており、 経過は順調の由、今回も後選だった。 兼題は「春田」と「ミモザの花」、私は つぎの七句を出した。
耕耘機音高らかに春田かな
半分は耕されたる春田かな
豊年の兆し春田に映り込む
やって来る春はミモザの黄色から
ミモザ持ちポカホンタスが駈けて来る
どうぞお先に今日も一番ミモザの日
ケーキ屋の扉ミモザのリース光る
私が選句したのは、つぎの七句。
岩木山腰をすへたる春田かな 盛夫
信州の小縣なる春田かな 幸雄
春田打ちはじむと母の便りあり 善兵衛
車窓からここもかしこも春田かな 耕一
女傘かりてミモザの花の中 盛夫
白き家の白き塀より花ミモザ さえ
黄の房をぼぼぼぼっと花ミモザ 孝治
私の結果は、<半分は耕されたる春田かな>を幸雄さん、耕一さん、盛夫さ んが、<やって来る春はミモザの黄色から>を真智子さんが採ってくれて、互 選4票、主宰の後選はゼロだった。
宮川幸雄さんは季題研究で「ミモザの花」を選び、この日3月8日がちょう ど「ミモザの日」、国連が決めた「国際女性デー」に当たることを話してくれた。 1904(明治37)年3月8日にアメリカで女性労働者が婦人参政権を求めてデ モを起こしたことがきっかけで、1910(明治43)年にコペンハーゲンで行わ れた国際社会主義会議で「女性の政治的自由と平等のために戦う」日と提唱さ れたことから、同年「国際女性デー」と制定されたのだそうだ。 その後は戦 争などで一時中止されていたが、1960年代後半からの女性解放運動などで関心 が高まり、1975年には国連によって国際婦人年が制定され、女性の平等な社会 参加の機会を整備するよう加盟国に呼びかけている。
イタリアではこの日は、「FESTA DELLA DONNA(フェスタ・デラ・ドンナ =女性の日)」とされ、男性が日頃の感謝を込めて、母親や奥さん、会社の同僚 などにミモザを贈る。 このことから「ミモザの日」とも呼ばれるようになっ た。
日本では1890年代末頃から普通選挙権(身分・生別・教育・財産・納税な どを選挙権の制限的要件としない選挙)獲得運動が組織され、第一次大戦後の 民主主義思想の普及と労働者・農民運動の激化とに支えられて、1925(大正14) 年に男子の普通選挙が実現した。 幸雄さんは、日本の婦人参政権が、戦後1945 (昭和20)年12月の選挙法改正で初めて認められた、「授けられた」権利であ り、それは戦争の犠牲者のおかげなので、鎮魂の意味を込めて、100%投票に 行くべきだと、宮川幸雄さんは語ったのであった。
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