桃月庵こはくの「臆病源兵衛」2018/07/25 06:37

 23日は前夜東京の最低気温が28.5℃、猛暑の続く中の大暑だったが、第601 回の落語研究会だった。

「臆病源兵衛」     桃月庵 こはく

「あくび指南」     三遊亭 兼好

「夢の酒」       入船亭 扇辰

        仲入

「化物使い」      古今亭 志ん陽

「藪入り」       春風亭 一朝

 桃月庵こはくは白酒の弟子、「はまぐり」で前座、3月に二ッ目に昇進して「こ はく」になった。 それを言って、パラパラと拍手をもらい、拍手が微妙に遅 い、と。 桃月庵というと、蕎麦屋かと言われるが、雛祭りのことで、白酒の 弟子が、「はまぐり」「ひしもち」「あられ」なのだそうだ。 それで「こはく」 は、「はまぐり」から小白なのか、と気づく。 二ッ目になって、紋付きが着ら れるのが嬉しい。 桃の紋が師匠と二人なのも。 楽屋で、いいだろ、と見せ たら、「ああ、バーミヤン!」。 今日は、都内でも40℃を超したそうで(と、 羽織を脱ぐ)。

 寄席も昔は蝋燭を立ててやっていた。 照明が大切で、昔は夜を怖がった。  八五郎が、涼みがてらと、兄ィの所に寄る。 一杯やれ。 いいお酒で、肴も 取り巻いちゃおうかな。 洗い、酢味噌が利いてる。 兄ィいい着物ですね、 薩摩上布で。 源兵衛も、褒めてたよ。 源兵衛、明るい内に来たんでしょう、 夜になると、戸も雨戸も立て切って、出て来ない。 臆病なのに助平、深川あ たりの地獄じゃあ、「昼遊びの源兵衛」と呼ばれているらしい。 ちょっと、か らかってやりましょう。 兄ィの遠縁の娘で、24,5のぽっちゃりとして色白、 一重瞼で、目尻がキュッと上がっている娘が、一度源兵衛と話がしたいと言っ ていると呼び出す。 わっしが、台所に隠れていて、幽霊になって脅かす。 驚 いて、死んじゃったら、どうするんだ。 私にまかせて。

 戸も雨戸も立て切ってやがる、ドンドン、いるかい。 八っつあんですか、 開けると怖いんで、そこで話して下さい。 兄ィの所で話がある。 兄ィの遠 縁の娘で、24,5のぽっちゃりとして色白、一重瞼で、目尻がキュッと上がって いる娘が、お前さんを見かけて、一晩話をしてみたいと言っている、来るかい。  行きます、行きます、あなたにつかまって歩く。 アワワ、アワワ、怖いよ、 犬の糞を踏んだ。

 兄ィ、源兵衛を連れて来ました。 戸も雨戸も、仏壇の扉も、開けっ放しな んですか、怖いから閉めて下さい。 暑いんだよ、いいから、まあ一杯やれ。  娘さんはどこに? 今、使いに出てる。 怖くないのかな、夜叉みたいな女だ ね。 八、酒を五合ばかり仕込んで来い。 もう、一杯下さい。 おつもりに なった、源兵衛、台所の流しの下に、三合徳利があるから、取って来な。 台 所に隠れていた八五郎が白い手拭を顔にかけて、ワッと脅かした。 源兵衛が、 持っていた徳利で八五郎の頭を叩く。 兄ィ、殺しちゃったよ。 お前が殺し たんだ、死骸を人目につかない所に捨てて来い。 兄ィは八五郎の元結を解い てザンバラ髪にし、紙を三角に折って、「死」の字を逆さまに書き、オデコにご 飯粒で貼る。 白い着物を着せて、頭を持て、俺が足を持つと、つづらに入れ る。 お前が殺したんだ、捨てて来い。

 つづらを担いだ源兵衛、池之端の不忍池のほとりに、やって来た。 仲の町 あたりで遊んだ二人連れに出っくわし、つづらを置いて逃げる。 泥棒だな、 放り出して行きやがった。 蓋を取る。 八っつあん、死んでなかった、立ち 上がったもんだから、酔っ払いが驚いて、逃げて行った。 八五郎、経帷子を 着ていて、オデコを触ると、三角の紙、何だ、俺は死んじゃったのか。 ここ は、地獄、極楽、どちらだろう。 池に蓮の花が咲いている、極楽だ。 誰だ!  蓮の花の上に乗ろうとするのは。 寺衆だ。 根津で遊んで来た二人連れが来 る。 地獄か、極楽か? 賑やかになってきたぞ、極楽か。 弁天様が並んで いる。 極楽だな。 次は地獄になるのかな。 八五郎、足を滑らせて、川に 落ちた。 誰か川に落ちたよ、縄につかまれ。 あなたは神様、あなたのおか げで、浮ぶことができました。

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