佐藤允彦さんの「ジャズに親しむ夕べ」2018/09/19 07:09

 14日は、朝倉健吾さんのヒルサイドプラザホールで、「ジャズに親しむ夕べ」 があった。 佐藤允彦さんのコンサートだというので、出かける。 ベースの 加藤真一さんは代官山のピアノバー「レザール」で聴いたことがあり、ボーカ ルの上杉亜希子さんは仲間内の新年会にヒルサイドテラス・バンケットで歌っ てもらったことがあった。 加藤真一さんのベース、なんともよい音が響く、 一曲、弓で弾くところがあったが、紹介で「アルゴ弾き」というのだと知る。  パーカッション、佐藤允彦さんが「ドラ息子」と紹介した職人風の岡部洋一さ ん、軽装備だというが、いろいろの道具で多彩な音を出して、実に楽しい演奏 だった。 駐車場のワゴン車(?)には重装備が積んであり、先日は横転して、 大きな音がしたそうだ。

 受付で代官山落語会でお見かけした係の方に、いきなり「いつも楽しくブロ グを拝見しています」と言われ、びっくりする。 と同時に、嬉しかった。 隠 れた読者がいるのだ。 例によって曲目だけでもとメモしていたら、帰りに曲 目一覧の「セットリスト」をもらった。 掲示でなく、プリントしてある用意 周到さに、感心した。

 佐藤允彦さんは、ジャズが誕生し、その名のついた最初のレコードが出たの が1917(大正6)年だから101年になるという。 ヒルサイドテラスでの演奏 は好きだと言う。 このフルコンサートグランドピアノ、ベーゼンドルファー のインペリアル(モデル290?)があるからで、普通88鍵なのに下に低い音が 4鍵ある(全部で97鍵?)、と音を出してみせる。

 ファーストセットの開幕は、季節の曲。 September in The RainとEarly Autumn。 フランク・フォスターのShiny Stocking、フォスターはカウント・ ベーシー楽団にいて、1928年~2011年、83歳と長命だったと佐藤さん。 ご 自身も喜寿と長命なのは、同学年の私は知っている。 ここからは上杉亜希子 さん登場、4年前より妖艶な印象の造りで、Waltz for Debby、Autumn Leaves (枯葉)、Misty。 会場の堅さを感じたのか、クラシックのコンサートじゃな いのだから、テーブルのワインを楽しんで気楽に、と。  Fly Me To The Moon は、最初の題名は歌詞にあるIn Other Wordだったそうだ。 言い換えて売れ る場合があって、「赤坂小町」が「プリンセス・プリンセス」になって売れた、 と上杉さん。 続いてStar Dust にMy Favorite Things と、懐かしい曲を歌 う。

 セカンドセットは、ちょっと趣きを変えたアレンジ。 Nobody Else But Me 「ありのままでいい、私でいい」と佐藤さん、1927年のミュージカル「ショウ ボート」ジェローム・カーン作曲、オスカー・ハマースタイン作詞、1946年に リバイバルした。 ビートルズのMichelle、ラヴェルの「ボレロ」と合うとい う演奏、岡部洋一さんはハバネラ(キューバの舞曲)調の鉦を叩く。 つづい て「赤とんぼ」をジャマイカのレゲエで、その名もRed Dragonfly、聴きなが ら思わず笑みがこぼれる。 ストールを被った上杉亜希子さんが現れ、「月の砂 漠」。 カタロニア民謡El Cant dels Ocells「鳥の歌」、チェロのパブロ・カザ ルスが「平和」を念じて演奏した曲。 Night and Day、チャップリンのSmile とスタンダード・ナンバーで終盤へ。 最後の曲は、ブキウギで「こげな町に は」。 1972年、佐藤允彦作曲、当時のパートナー中山千夏作詞、熊本弁なの は千夏さんのおばあちゃん由来だとか。 アンコールは、トルコの曲でOyun Havas 七拍子という意味だそうだ。 それぞれのソロパートが、最後に、もう 一度輝いた。

 何とも素敵なコンサートを、友人ご夫妻とそのお友達、偶然、光栄なことに ヒルサイドテラスの隣組の駐日デンマーク王国大使ご夫妻(大使からは名刺を 頂いた)と、同じテーブルで楽しむことが出来たのであった。

 なお、佐藤允彦さんについては、下記の当日記に詳しい。

佐藤允彦さん、銀座ジャズピアノ事始<小人閑居日記 2018.6.22.>

佐藤允彦さんのジャズ・ピアノで新年会<小人閑居日記 2014.2.1.>

佐藤允彦さんの出発、そして落語とジャズ<小人閑居日記 2014.2.2.>