呉座勇一さんの「「鎖国」の概念 昔と今」2018/10/14 07:32

 『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中公新書)で有名になった歴史学者の 呉座勇一さん(国際日本文化研究センター助教)が、火曜日の朝日新聞に「呉 座勇一の歴史家雑記」というコラムを連載している。 9月25日は「「鎖国」 の概念 昔と今」だった。 歴史教科書は基本的に保守的で、学界で画期的な学 説が提唱されたとしても、それをすぐに取り入れることはない、という。 大 半の研究者が妥当性を認め、その説に基づく研究が次々と発表されて、初めて 採用するのだそうだ。

 呉座さんの挙げる一例は、「鎖国」の問題だ。 昨年、小中学校の新学習指導 要領から「鎖国」表記を外すという案が浮上し、結局残ることになった。 日 本史学界で江戸幕府の対外政策を「鎖国」と捉えることを批判する研究は、既 に1980年代には登場しているそうだ。 今では「四つの口(長崎・対馬・琉 球・蝦夷地)」論という「通説」を踏まえた上で「鎖国」概念を再評価する見解 すらあるという。

 呉座さんの結論は、現在の新説も「正解」とは限らず、将来否定される可能 性がある。 歴史学研究は常に更新されていくものなのだ、というものだ。